- kncl_0915 Museum
- 1F 貨幣(日本貨幣)
- 寛永通宝 不旧手 伏見銭 陰目寛背大濶縁
寛永通宝 不旧手 伏見銭 陰目寛背大濶縁
寛文8(1668)年以降に鋳造された いわゆる「新寛永」のうち、元文期(1736年以降、詳細な年代は不明)に鋳造されたと考えられている銭です。長崎屋不旧が筆者と考えられる銭文の特徴、すなわちマ頭通、俯永が見られる書手で、いわゆる不旧手と呼ばれる一派に分類されています。また、山城国横大路銭の一部に見られる、寛字見画の二引が陰起して拓本に現れないところ(これを陰目寛という)を引き継いでいます。
伏見銭には、通字用画の左肩に切れ目がみられるという特徴があります。この特徴が必ずみられるため、偶発的な鋳切れではなく、現代でいうところのミントマークと考えられています。
最大の特徴は何といってもその背で、縁がきわめて太くなっています(大濶縁)。不旧手伏見銭でこのように背大濶縁となっているものは、ほぼ同時期に流行した蛇ノ目傘の開いた柄に似ていることから、蛇ノ目とも呼ばれて人気を集めています。