仙台通宝 小様

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仙台藩が、天明4(1784)年より鋳造した貨幣です。発行した藩内に限り通用した、いわゆる地方貨に属します。主に一般通用していた寛永通宝と容易に区別するため、撫角形の貨幣となっています。

元々、仙台藩は、幕府許可の下で銭座を設置し、寛永通宝の銅銭(仙台、石ノ巻)、鉄銭(石ノ巻)を鋳造していました。しかし、天明の大飢饉により、藩財政が逼迫していました。そこで、仙台藩では、5年の間という条件の下で許可を得て、鉄銭を鋳造することになりました。その銭が、仙台通宝です。大量に発行されましたが、素材の悪さから敬遠されただけでなく、寛永通宝の銭差に仙台通宝を紛れ込ませる不正が横行し、幕府がこれを取り締まる御触書を出す事態にまで至りました。また、寛永通宝に対する相対的価値が下落していき、5年の鋳造許可が満了するのを待たずに、天明7(1787)年に鋳造停止になってしまいました。

製造とともに小型化していき、収集観点からは大様、中様、小様と分類されています。

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