寛永通宝 踏潰 広永狭王寳

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寛永通宝のうち、幕府の許可を得て設置された銭座ではない所で鋳造された、いわゆる密鋳銭にあたります。東北地方でまとまった数の踏潰銭が報告されていますが、鋳地は未だ判明していません。古くは秋田踏潰銭と呼ばれていました。

何と言ってもその外観が特徴で、鋳縮みを防ぐため、通用銭を叩いて延展法のごとく仕上げています。そのため、銭径が極めて大きく、銭文も潰されたような外観を呈しています。そのような踏潰の中でも広永は、永字のフ画、く画がともに幅広く輪に接しているのが特徴です。さらに、広永には寳字王画の幅が狭く、輪から離れる手変わりがあり、写真の銭はその狭王寳にあたります。

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