ALPA Old Delft Alfinon 50mm f2.8 マウント製作記 その2

初版 2022/06/01 23:47

改訂 2022/06/03 04:54

マウントを削って、Old Delft Alfinon 50mm f2.8のレンズをマウントしてみました。


こんな感じで、レンズがマウントに填まりました。


アルパマウントと呼ばれる、三つ爪の締め付け固定マウントですが、

初期の頃のカメラはマウント規格が異なるので「ALPA ALNEA mod.4」以降とは互換性がありません。

後のアルパマウントは、金属板をネジ止めしてありますが、初期のレンズは、削り出しで爪を作ってあります。

生産台数2000台ぐらい、現存するレンズは1000本前後と推定されるので、製品化はされないと思うので、デジカメで楽しむには、自作マウントしかありません。


アルパマウント削り出し、鰹、昆布だしみたい!



折角なので、このカメラを作ったメーカーとレンズのメーカーのお話でも ………


ALPAはスイスのボー州バレーグで1918年に創業したPignons S.A. (ピニオン) と言う時計部品メーカーが前身にあたり、1944年発売のALPA REFLEX I型から続く一眼レフ (フィルム) カメラのシリーズ銘です。初期はウエストレベルファインダーを装備しながらも分類上は レンジファインダーカメラでありマウント規格が異なります。アルパは自社でレンズは作らず、他社のレンズを装着しています。

高級レンズばかり装着しているので、カメラもお高いのですね!


OLD DELFTはオランダのデルフト市で1939年創業の光学メーカーになり、初期は創設者Oscar van Leer (オスカー・ファン・リール) 氏の名前からVan Leers Optisch Industrieと呼ばれ登記上は「De Oude Delft」ですが、一般的に「OLD DELFT」の通称になっているようです。

写真カメラ用レンズというよりはむしろ、X線撮影、電子機器用などのレンズの生産が主力であった企業のようですが、なぜか1950-60年代に集中的にアルパ、コンタックス、エクサクタマウント、ライカLマウント、M42マウントなどの多様な小型カメラ用のレンズを供給していました。

一般に市販されたレンズでは、ライカマウント、アルパマウントなどで製造されたアルフィノン(Alfinon)5cmf2.8が挙げられます。(このレンズ)


オールドレンズは その背後に隠れているロマンを、紐解くことで楽しみは更に増していきます。


オランダと言えば、フェルメールとレンブラントの絵画をを思い出します。

17世紀、オランダ黄金時代の代表画家ですね!

このレンズで、テスト撮影していて、ふと、思い出しました。


フェルメール 真珠の耳飾りの少女


少女の髪や耳飾りが窓から差し込む光を反射して輝くところを明るい絵具の点で表現しており、この技法はポワンティエ (pointillé) と呼ばれ、フェルメールの作品における特徴の1つとされます。

こんな感じにいつか写真が撮れると好いななんて ………


フェルメールのモチーフはこれまで検討されていないが、当時出島からオランダにもたらされ、評判を呼んだ日本の着物と見える衣裳の人物像が5点ほどあるらしい。

当時、日本は鎖国時代、オランダ商人の経済力には、当時、世界的に注目を受けていた石見銀山で産出した銀が、出島からオランダにもたらされ莫大な利益を生んでいたことも関係している。(日本は金1対銀2、世界は金1対銀5)

先月、カメラを譲った人が、石見で神楽を舞っているとの事で、なんか書きたくなってしまった。その内に、神楽の舞を写真撮りに行こうと思っています。


レンブラント・ファン・レイン《夜警》1642年


光と影の魔術師レンブラント、私の師匠がスタジオでライティングに用いていた、

ストロボ技法を思い出します。

光をコントロールすることで、生き生きした女性に変身するんですね!

写真は、光があって成り立つものだから、光が見えると作風が変わってくる。


この辺の話題は、モノ日記では無いので ………




マウントにレンズが付けられるようになったので、早速テスト撮影してみました。

予想通りの性能であります。無限遠から1/2倍マクロになりました。

1/2倍マクロに ………


ヘリコイドマウントを回すだけで、ここまで寄ることが出来ます。

ドリルの刃が丁度20mm、SonyのNex7の素子の大きさが、23.6x15.7mm

大体、1/2倍マクロの感じです。沈胴を沈めた状態ですので、レンズを起こして、

レンズのヘリコイドを回すと、等倍まで撮影する事が出来るようになります。


アルパと言えばマクロスイターが有名ですが、元々は標準レンズのスイターを、

ヘリコイドを更に伸ばして、マクロスイターとして販売していました。

このレンズも、マクロアルフィノンになりました。


マクロスイターを彷彿する、ボケ描写です。


簡単に、ここまで寄ることが出来るのも、改造ならでは ………



丁度、お隣さんの双子ちゃんが保育園から帰ってきたので、

一寸モデルさんに ………


撮っても可愛い双子ちゃんです。


去年、七五三だったから4歳になったのかな〜



解放だけれど、大ボケはしない。



柔らかなトーンが特徴のレンズで、

ベールを纏ったような色滲みが、素敵なレンズです。

日が差すともっとこのレンズの特徴が現れるのだが ………



解放で、ここまでの解像力



このレンズの最大の特徴、髪の毛1本1本が際立って写る。

シャドーが潰れず、ハイライトも飛んでいない、色調も色転びせず、

肌の色が自然に表現されています。


十年後の彼女たちの写真を、このレンズで撮りたいものだ!!



次回、無限大調整、仕上げにて、完成予定?






#アイテム

#制作

デジタルカメラで、フィルムカメラの魅力を伝えられたらと思います。
フィルムカメラのレンズを、デジタルカメラでも使えるようにクラフトしています。

リンク先掲載を、ミューゼオ運営様に掲載確認をし、問題がないとのことなので掲載させて頂きました。
ミューゼオで来館されて気になるカメラを、出品してるかも知れないので、お暇なとき立ち寄って見て下さい。

https://www.mercari.com/jp/u/708520704/

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