怪獣軒 ヤマシロ スタンダードサイズ 平成物

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円谷プロのウルトラシリーズに関わっていたスタッフ、中でも実相寺昭雄・佐々木守・上原正三・市川森一という先鋭的な面々が参加した『シルバー仮面』には、宣弘社製作のヒーロー番組でありながらも、初期ウルトラシリーズの影を引き摺ったエピソードがいくつかありますが、このヤマシロが登場する第18話も、『ウルトラマン』の「故郷は地球」を彷彿させる、人間が怪物化してしまう変身譚です。
但し、こちらでは山城キャプテンが怪物化した背景にはエマー星人による地球侵略の企みがあり、そういった意味では“人類と科学の進歩”の裏に潜む矛盾や欺瞞を鋭く告発した「故郷は地球」ほど強いメッセージ性は無く、また、ヤマシロにしても結果的には救われるのでジャミラほどの悲劇性は感じられないのですが、それでもこのヤマシロのビジュアルはあまりにも強烈ですね。ボロボロの宇宙服に、酷く焼け爛れた皮膚。人間のイメージをかなり残しているだけにこの怪物の姿には、かなりインパクトがありました。

そんな異形の者、ヤマシロを2007年にレトロタイプでソフビ化したのが怪獣軒です。
全体的なフォルムこそレトロタイプのデフォルメになっていますが、虚ろげに空を見上げている表情や、焼け爛れた皮膚の表現など、ディティールはかなりリアルに仕上げています。
原型製作はシカルナ・工房。このヤマシロを手掛けた頃は、自社名義ソフビの点数はまだ数えるほどしかなかったと思いますが、既にシカルナっぽいというか、強烈な個性が確立されていますね。従来のレトロタイプ怪獣ソフビの方法論に囚われない、インディーズならではの感性が生み出した一体、といえます。

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