怪獣軒 ドミノ星人 スタンダードサイズ 平成物

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葬儀に参列中の著名な物理学者・三田博士と他の参列者たちが、故・春日博士の“息子と娘”を名乗る者たちに虐殺されるという事件が起きる。それは、春日兄妹に化けて事件を起こし、その罪を本物の春日兄妹に擦りつけることで彼らを社会的に抹殺しようと企むドミノ星人の陰謀だった...
凶悪な集団ライフル魔に仕立てあげられ、お尋ね者となった春日兄妹と、彼らを追う警視庁の敏腕警部、鬼頭。偽者とはいえ、ヒーローを含む主人公側の人間が『俺たちに明日はない』よろしく銃を撃ちまくる衝撃的なエピソードでしたね。最終的には、自分たちの潔白を証明しようと行動する兄妹たちの奮闘もあって、鬼頭たちの眼の前で本物と偽者の兄妹が対峙し、正体を現わしたドミノ星人を光二が変身したシルバー仮面が倒したことで決着を見るのですが・・・、鬼頭は見たままのことを認識しつつも社会常識がそれを受け入れないだろうと、真犯人を「宇宙人」ではなく「春日兄妹の名を騙った、身元不明の四人組の人間たち」として処理すると兄妹たちに告げ、一見救われたように見えて、実は彼らと人間社会の決して埋まることのない溝を改めて浮き彫りにすることで初期『シルバー仮面』らしく締め括られます。このやるせないトーンこそ初期『シルバー仮面』の真骨頂。それがつくづく心に染み入るんですよねぇ...

さて、ドミノ星人。
劇中でシルバー仮面に卒塔婆で滅多打ちにされたり、当時の書籍類に「ドミノ星人はパンの味がする」という設定があったりと、どちらかというと今ではネタ的な意味で有名な宇宙人ですが、池谷仙克氏がムンクの「叫び」をモチーフにデザインした容姿はかなり不気味でインパクト大。諸星大二郎の漫画に出てきそうな、土俗的な雰囲気が濃厚な宇宙人ですね。

そんなドミノ星人を2007年にソフビ化したのが怪獣軒です。
原型製作にヤモマーク土岐氏(この頃はまだヤモマークを立ち上げる前でした)を起用し、土俗的雰囲気濃厚なこの宇宙人のイメージを損なうことなく、上手くレトロタイプに落とし込んだ一体。現行ソフビながらも、当時物の無法星人ソフビと並べても様になるのは、レトロソフビジャンルに造詣が深い土岐氏ならではの妙味ですね。
この茶成型のドミノ星人は初版のものですが、どこか古代の祭祀に用いられる泥人形のような禍々しい雰囲気もあって、なかなか存在感のあるソフビ人形です。

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