菱マンガン鉱 (rhodochrosite) 大江鉱山 #382A

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この標本でも菱マンガン鉱の菱型結晶を観察することが出来ます。

大江鉱山はポンシカリベツ川上流の稲倉石山の東麓にあった高温交代性脈状菱マンガン鉱床です。1890年(明治23年)に金銀鉱床である万歳脈を鉱床とする鉱山「然別(しかりべつ)鉱山」として操業を開始、1897年(明治30年)に田中鉱業が買収し、金や銀を採掘しました。この間百代、千歳脈などが発見され、1915年(大正4年)には久原鉱業が経営し、鉛・亜鉛鉱山となりました。
 戦時中の1941年(昭和16年)にマンガン鉱山としての稼動を開始し、1953年(昭和28)以後は北進鉱業が千歳脈のみで稼行しました。1958年(昭和33年)には月当たり処理能力4,000トンの選鉱場とマンガン精鉱焼結鉱場を新設し、マンガンのみならず金や銀、銅、鉛、亜鉛、硫化鉄鉱石を回収することに成功しました。マンガン鉱は煤焼後の精鉱として月産1,000トンを生産したといいます。1970年(昭和45年)には隣接する稲倉石鉱山を鉄興社から買収しましたが、1975年(昭和50年)以降は資源枯渇により生産量が漸減し、1984年(昭和59年)9月に閉山しました。

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