パイロクスマンガン石・プロト鉄末野閃石 (pyroxmangite/proto-ferro-suenoite) 日瓢鉱山 #0109

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深紅色のパイロクスマンガン石中に放射状のプロト鉄末野閃石が確認できます。パイロクスマンガン石は主に変成マンガン鉱床で産するマンガンを含む珪酸塩鉱物で、準輝石族に属し、透明感のある赤色の結晶が美しい鉱物です。プロト鉄末野閃石はパイロクスマンガン石、石英などに伴い、灰白色繊維状集合体をなして産出します。1986年(昭和61年)に新鉱物として申請された日瓢鉱山のマンガン鉱石中の鉱物がプロトマンガノ鉄直閃石であることが、2002年(平成14年)に国際鉱物学会で公表され、2013年(平成25年)にプロト型角閃石を天然から初めて見出した筑波大学教授であった末野重穂博士 (1937-2001) にちなみプロト鉄末野閃石と再命名されました。(1枚目のみ背景をソフトウエア処理しています。)

日瓢(にっぴょう)鉱山は、瓢産業株式会社(現在の株式会社瓢屋)が自動車用鋳物珪砂の需要増に伴い地質調査を実施、1960年(昭和35年)に入粟野横根山(1,387m)の中腹の沢にSiO2品位96%以上の良質な珪砂の大鉱脈を発見したのを契機に瓢産業株式会社と日立金属株式会社が共同出資により日瓢鉱業(株)を設立し1962年(昭和37年)に採掘を開始、現在に至るまで稼行している現役鉱山です。

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