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KONICA HEXANON 1:1.8 f=52mm
この個体はコニカARマウントレンズとしては初期のもので,おそらくコニカFマウントレンズ時代の光学系を引き継いでARマウント化したものだと思われます。コニカのレンズにありがちな絞り環がガチャガチャした感触で,いまひとつ落ち着きのない使用感ですが,1960年代前半のレンズとしては十分に高性能だったと思われます。Sony α7Sと組み合わせた最初のオールドレンズで,オールドレンズ にはまるきっかけとなるレンズでもありました。 このレンズによる作例はhttps://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%2052mm%20F1.8 においています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #Konishiroku #52mm #F1.8 #標準 #単焦点
MFレンズ AR KonicaMOR
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smc PENTAX-FA 50mm F1.4
ペンタックスの標準レンズです。50mm F1.4という標準の中の標準ともいえるスペックのレンズですが,このレンズの起源は,前回の東京オリンピックが開催された年から1年ほどした1965年にリリースされたSuper Takumar 1:1.4/50まで遡ります。初期のSuper Takumar 1:1.4/50は6群8枚構成でしたが,その後に登場した改良版からは6群7枚構成の変形ダブルガウス(ウルトロン)型となり,FA 50mm F1.4に至るまで基本的な設計思想は変わっていません。もちろん,ガラスの組成が変わったり,コーティングやフォーカシングシステムの違いにあわせて少しずつ変化していることは間違いありません。 オートフォーカスのフィルムカメラ時代のペンタックスレンズは距離環のトルクはスカスカだし,全体にプラスチッキーな感じだし,チープ感全開でしたが,このレンズもその例に漏れないいささか残念な仕様です。マニュアルフォーカスカメラ時代のMレンズやAレンズの方がレンズとしての存在感があったように思います。 設計が古いレンズならでは,というような典型的な昔風味の写りです。開放ではとても甘く,ピントの山がよくわからないくらいです。f2.8あたりまで絞ると画面中央の解像度があがり,f5.6まで絞れば画面全体で解像感が感じられる描写になります。オートフォーカスが使えますが,光学系から言っても,写りから言っても完璧にオールドレンズの範疇に入るレンズです。 このレンズによる作例をhttps://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/smc%20PENTAX-FA%2050mm%20F1.4 に置いています。 #レンズ #AF #smc_PENTAX-FA #PK #PKAF #Pentax #50mm #F1.4 #標準 #単焦点
AFレンズ PKAF PentaxMOR
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MC ROKKOR-PG 50mm F1.4
このレンズが登場した1973年頃ですが,それ以前の一眼レフカメラ用標準レンズは55mmとか58mmといった少し焦点距離が長いレンズがほとんどでした。これは,フランジバック が長い一眼レフカメラ用に焦点距離50mmの明るいレンズを設計することが難しかったからだと思われます。しかし,1970年代にはいって多くの一眼レフカメラ用標準レンズは焦点距離が50mmになります。MC ROKKOR-PG 50mm F1.4も58mm F1.4と入れ替わるようにして市場に投入され,旧世代の標準レンズを駆逐していきます。 50mm F1.4は58mm F1.4よりも新しい分だけ解像度については現代的な写り方であるように思います。でも,広いダイナミックレンジなどが必要な厳しい条件のもとでは古いレンズであることを感じさせます。AC (アクロマチックコーティング)によるものなのか,なんとなく優しい感じの写りであるように思います。ある種の思い込みというか先入観があるからかもしれません。 特徴がないことが特徴ではないか,と思ってしまうほどいたって普通に写ります。 このレンズによる作例は, https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR-PG%2050mm%20F1.4 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #50mm #F1.4 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MC ROKKOR-PF 58mm F1.4
MC ROKKOR-PF 58mm F1.4には距離環のローレットがフラットな意匠の前期型と,アーチ型になっている後期型がありますが,この個体は後期型です。発売は1968年頃のようです。前期型からは2年でモデルチェンジしています。アクロマチックコーティング(AC)によるコーティングのやわらかい感じは最初期のAUTO ROKKORがいちばん顕著で,その次にMCの前期型,そしてMCの後期型という順番に解像度重視にシフトしていくようです。それでも,この後期型でも十分にやわらかいと思いますし,解像度とのバランスもとれているのだと思います。 新宿クラシックカメラ博のジャンク箱から救出してきた個体です。明るいけれども焦点距離が長く,寄れないのはいかにも昔風味の設計です。ACは剥がれやすいということですが,緑のロッコールと呼ばれるACによる緑色のコーティングはまだ残っています。距離環や絞り環は普通に使えるので(多少のトルクむらはしょうがないものとして),実用上の問題はありません。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR-PF%2058mm%20F1.4 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #58mm #F1.4 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ SR MinoltaMOR
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AUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8
Auto Rokkor 55mmレンズは最初F1.8で1958年にミノルタの最初の一眼レフSR-2とともに登場します。レンズ先端部分(というか内側の鏡筒)が銀色のもので,プレビューレバーが円筒形のつまみが付いています。これが前期型で私が所有している個体もこのタイプです。 その後,フィルター径が55mmから52mmに縮小されて絞り羽根も8枚から6枚に減っています。プレビューレバーも円筒形のつまみがなくなって,半円形のでっぱりがついているだけになって,いろいろな意味で小型化かつ簡素化されています。ロッコールレンズは基本的にはフィルター径は55mmなので微妙に中途半端な小型化です。 さらに,次の代ではF2.0になってより普及価格帯向けとなって,普及価格のカメラとして登場したSR-1とともに1959年に発売されます。Auto Rokkor時代の55mmレンズはこの3つだけのようですが,その後,MC rokkorになってから55mm F1.7という標準レンズになりますが,この55mm F1.7のレンズはAuto Rokkorの55mm F2のレンズ構成を継承しているという説があります。その意味で,Auto Rokkor 55mm F1.8は最初期に出てそのまま消えたレンズの系譜なのかもしれません。Auto Rokkor時代はやわらかい描写が主たる特徴だと思いますが,その後のMC RokkorからMD Rokkorへと時代がすすむにつれてより解像度が重視されていく傾向があってそのような流れのなかでAuto Rokkor 55mm F1.8のレンズ構成の系譜は淘汰されてしまったのかもしれません。 ただし,Auto Rokkor 55mm F1.8の前期型は解像度が高いとの説もあります。実際,撮影をしてみてもそれなりに高い解像感があります。もちろん,古いレンズなので逆光性能などはそれなりですが,古い時代のレンズなのに想像以上にカチッとした写りです。普段使いのレンズとしてなんの問題もないと思います。 下手をするとミラーレスカメラ用のマウントアダプター(新品)よりも安いお値段で入手できてしまうかもしれません。兎に角,一眼レフカメラのセットレンズとして世の中に出たレンズなので数はいっぱいあります。よって安い。基本設計が1958年頃とすると既に還暦を過ぎています。ある意味20世紀中頃のレンズ性能の高さを実感させてくれます。安くてよく写るレンズだと本当に思います。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/AUTO%20ROKKOR-PF%2055mm%20F1.8 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #55mm #F1.8 #標準 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MD ROKKOR 50mm F1.7
MD ROKKORレンズは1977年に発売されたミノルタXDの両優先AEに対応すべく登場したレンズシリーズです。 MD ROKKOR 50mm F1.7には大きく分けて前後期の2タイプがあるようで後期型はフィルター径が49mm,質量も160gと小型軽量化されています。この個体は小型化する前のモデルでフィルター径が55mmです。後期型の登場が1979年の始めごろのようなので,前期型の販売期間はそれほど長くなかったかもしれません。おそらくMC ROKKOR-PF 50mm F1.7をシャッタースピード優先AEに対応させただけでリリースされたものと思われます。ただMC ROKKOR時代よりもMD ROKKOR時代になると緑のロッコールたるアクロマティックコーティング(AC)を施した面が減ってたったの1面だけになっているという話もありますし,最短撮影距離が少し短くなっています。そのために光学系も再設計されているものと思われます。外観はMC時代と比較して明らかにチープになっています。 この世代以降のrokkorレンズはレンズ群がプラスチックのモールドで固定されているため分解が難しくカビが生えるとメンテナンスをするのが非常に難しいレンズです。こんなところにもコストダウンの影響がでているというのはある意味,おもしろいですがなんとも世知辛い話です。しかしその一方で,入門用のセットレンズとして色々な部分でコストをギリギリまで削ってはいるものの,性能は精一杯よいものを目指していたはずです。カメラのセットレンズとして多くの人が手にするレンズであり,ユーザーにとって最初のレンズがダメなら誰も他のレンズを買ってくれません。ですからコストダウンしつつも性能を維持すべく力が入っていたと想像します。レンズの生い立ちや立ち位置を考えれば耐久性やメンテナンス性は兎も角として,基本性能が悪かろうはずがありません。 実際,写してみるとよく写るレンズであることがわかります。 この個体は新宿でやっていたクラシックカメラ博のジャンクかごから救出してきた5本のレンズのなかの1本です。レンズに大カビがあってこりゃだめか,という感じでしたが,意外にもカビは前玉と後玉の外側に生えているものがほとんどだったので,分解しないで外側を掃除したらそれなりに綺麗になりました。そもそも分解してもメンテは難しいレンズなのでレンズ内部の汚れは気にせずそのまま実戦投入です。 このレンズによる作例は, https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MD%20ROKKOR%2050mm%20F1.7 に置いています。 #レンズ #MF #MD_ROKKOR #SR #Minolta #50mm #F1.7 #標準 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MC ROKKOR-PF 55mm F1.7
解放F値がF1.8じゃなくてF1.7というちょっと半端な開放F値がマニアックです。でもロッコールレンズにはF1.7のレンズというのはけっこうあったりします。例えば,有名な中望遠レンズのMC ROKKORの85mmもF1.7です。 このレンズは,おそらく1966年に登場しています。フィルター径が52mmでこれ以前の多くのauto rokkorやmc rokkor (いずれもフィルター径55mm)よりも少しだけ小型化していますが最短撮影距離が55cmであと一歩が寄れない,という微妙なスペックです。これも想像ですが,このレンズはAuto Rokkorの55mm F2の光学系を引き継いでMC化を果たしたものだと思われます。 焦点距離が50mmよりもちょっと長い55mmで古い時代によくあった焦点距離の標準レンズで,かつ,寄れないというのがいかにも普及版レンズという感じを醸し出しています。でも,ちょっと頑張って解放F値は1.8ではなくて1.7。小型化,微妙な明るさ,最短撮影距離のトレードオフのなかで普及型としてアピールポイントをどこに置くか悩んだ末に,わかりやすい解放F値の明るさをアピールするという落とし所に持ってきたというのはたいへん興味深いものがあります。 この個体も新宿クラシックカメラ博でジャンク箱から救出してきた個体です。そんなにひどい状態だったわけでもなく,前後のレンズをお掃除したら普通に使えそうになりました。で,実際,普通に使えています。 このレンズによる作例は, https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR-PF%2055mm%20F1.7 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #55mm #F1.7 #標準 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MC MACRO ROKKOR-QF 50mm F3.5
ミノルタのSRマウントのマクロレンズです。rokkorレンズに関する有名な書籍か何かに取り上げられたとかで名レンズと言われることもあるようです。もともとはLeica L39のねじ込み式のマウントで純正のアダプタによってSRマウントのカメラにも使える,というMCがつかないものが初代の50mmマクロだったようです。その後,MC化されたのがこの世代のレンズで,レンズ単体で0.5倍,付属のエクステンションチューブをつけて等倍撮影可能,というものです。おそらく1967年の発売です。恐ろしいことに私と同じ年に生まれています。 鏡筒の大きさに対して,とても小さな光学系です。でもって,4群6枚という構成が正しいならば,たぶんダブル・ガウス型でテッサータイプではないようです。この手のマクロレンズはテッサータイプが多いと思うのですが,このMC macro Rokkorは違うようです。そのことが遠景もマクロ領域と同様な写りであることとどのように関係しているか,はよくわかりません。 この個体にはエクステンションチューブはついていませんでした。そういう意味で完品ではないので,それが原因かもしれませんが,なぜか,ヤフオク!で1000円+消費税80円(まだ消費税が8%だったときに駆け込みで)+送料800円という激安価格で入手できました。いつものように絞って青空を撮ると埃が写り込むのはしょうがないとして,それ以外には特に気になるようなところもなく十分に実用的な個体でした。オークションではたいていの場合はそこそこのものを入手してまぁそんなもんだろう,ということで得をしたと思うことはほとんどありません。しかし,今回はちょっと得をした気分になりました。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20MACRO%20ROKKOR-QF%2050mm%20F3.5 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #50mm #F3.5 #標準 #単焦点 #マクロ
MFレンズ SR MinoltaMOR
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M-ROKKOR-QF 40mm F2
1973年にライツミノルタCL用の標準レンズとして登場したレンズです(前期型)。日本ではM-ROKKOR銘で,それ以外の国ではLeica Summicron-C銘でした。両者はほぼ同じものだと考えてよいと思いますが,ガラス硝材が日本製かドイツ製かといった違いがある,という話もあり,私にはそこらへんの真偽のほどはよくわかりません。M-ROKKORはロッコールレンズの慣例にしたがって,最初のうちはレンズ構成(4群6枚)を表すQFがレンズ銘板に示されていましたが途中からQFの表示がなくなります。これは他のロッコールレンズ(MC ROKKOR)と同様の扱いだったのでしょう。QFの表示が消えても光学的には全く違いはなかったようです。 その後,1981年にミノルタCLEが発売されますがそれとともに標準レンズもリニューアルされます(後期型)。ミノルタCLEは小型なだけでなくレンジファインダー機で自動露出が使える,という画期的なモデルでしたが,ライツ社はそれを潔しとせず,CLのときのようにダブルネームでの販売を認めなかったようです。後期型は前期型とレンズ銘は同じですが,銘板上の表示からシリアルナンバーが消えていたり,ピントリングレバーの形状が少し単純化されていたりするので前期型とはすぐに区別ができます。レンズ構成はおそらく変わっていなくていずれも典型的なダブルガウス型だと思いますが,後期型で少し改良されている,という話もどこかに出ていました。実際のところはわかりません。 また,距離計連動用のカム(写真では後玉側に見える真鍮色の部分)が前期型ではCLに特有の傾斜カムであったのに対して,後期型では普通の平行カムとなっています。前期型を普通のライカMマウントカメラに取り付けると無限遠で誤差がでる,ということでライカMマウントカメラは前期型は非推奨レンズというか,CL専用レンズという扱いのようです。後期型は一般的な平行カムなのでそのような問題はありません。 前期型の純正のフードはラバー製のものだったようですが,現在ではすでにちぎれていて用をなさないものが多くて,自分で適当なフードを調達する方が手っ取り早そうです。 ヤフオクでは前期型も後期型もしょっちゅう出品されている,という印象ですが,前期型のうちレンズ構成の表示(-QF)がついている個体はそれほど頻繁に出てくるわけでもないようです。ロッコールレンズにはレンズ構成がついているほうが格好いいと個人的には思っているので,前期型でQFの表示があるものを入手しました。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/M-ROKKOR-QF%2040mm%20F2 に置いています。 #レンズ #MF #M-ROKKOR #LM #Minolta #40mm #F2 #標準 #単焦点
MFレンズ LM MinoltaMOR
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MC ROKKOR-PG 58mm F1.2
1968年に登場した大口径標準レンズです。最初のバージョン(前期型-I)では距離環のローレットがフラットでしたが,翌1969年にはローレットの形状に凹凸がある形状(前期型-II)になっています。その後,1973年には距離環の滑り止めがラバー巻きになったモデルにリプレイスされます(後期型)。この個体は前期型-IIです。 おそらくこのレンズがでた当時は国内のカメラメーカーが大口径競争をやっていたのではないかと思われます。日本のメーカーは一つのわかりやすいスペック(数字)を高めることに血道をあげる傾向があって,ひととき熾烈な競争をやって,しばらくすると飽きてしまって見向きもしない,というわけのわからんところがあります。もちろん,レンズのラインナップに大口径レンズはあったほうがよいに決まっているので各社ともそれぞれ力を入れて開発していたことは間違いないと思います。 緑のロッコールの通り名のとおり,アクロマティックコーティング(AC)によって見る角度によってはレンズが緑色に輝いて見えます。焦点距離は少し長めの58mmで大口径化の代償として最短撮影距離は60cmであまり寄ることができません。時代を考えればしょうがないのだと思います。 ロッコールレンズはなぜかたいていのレンズが叩き売り状態ですが,さすがにこのレンズは人気があってそれなりによい値がついています。もちろん,ロッコールレンズとしては,という注釈付きですが。富岡銘の入ったF1.2の標準レンズに比べれば相場はずっと安価です。ヤフオク!で高くもなく安くもない価格で入手しました。ややくたびれた感じはありますが,実用的には特に問題はありません。 このレンズによる作例は, https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR-PG%2058mm%20F1.2 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #58mm #F1.2 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ SR MinoltaMOR
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W.ROKKOR-QE 35mm F4
1960年頃に登場した,minoltaの一眼レフ用ROKKORレンズの第一世代のレンズです。当時のレンズラインナップのなかで廉価版としての位置付けで,暗い開放F値,簡略化されたレンズ構成,少ない絞り羽根,プリセット絞りとすることでコストを抑えたモデルです。結果として無理のない設計で軽くて小さく,開放からよく写るレンズになっています。といっても開放でF4なのでちゃんと写ってくれないと困るとも言えます。 写真ではわかりにくいかもしれませんが,絞りがF8あたりで星型になります。そのためうまく背景を選ぶと星型の光源ボケが得られます。ただ,それほど寄れるレンズではないので F8あたりで背景をぼかすのはちょっと難しいところもあります。 もともと一眼レフ用のRokkorレンズは叩き売り状態なうえに,廉価版レンズとなれば全く需要がないようで値段もあって無きがごとしです。この個体はAUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8をヤフオクで探していたらたまたまこのレンズとセットで出品されていたので,55mm F1.8を入手したらいっしょにくっついてきたという感じです。 安いけれど良いレンズだと思います。ただ,さすがに暗いところでは厳しい場合もあります。フィルム時代よりもISO感度が可変なデジタルカメラになった現在になって本領を発揮しているレンズかもしれません。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/W.ROKKOR-QE%2035mm%20F4 に置いています。 #レンズ #MF #W.ROKKOR #SR #Minolta #35mm #F4 #広角 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MC ROKKOR 85mm F1.7
1970年頃に最初のMC ROKKOR-PF 85mm F1.7が登場しています。金属ローレットでMC ROKKOR-PG 58mm F1.2 前期型-IIと同世代のものが最初のモデルのようです。ミノルタには微妙な1.7という開放F値のレンズがいくつかありますが,このレンズもそのひとつです。F1.8よりもちょっと明るい(ほとんど変わらないけど),というセールス的なことを考えていたのか,それとも,技術的ななんらかのこだわりがあったのでしょうか。 1978年にはMD ROKKORにバトンタッチします。MDタイプになってコーティングは少し変わったようですが,レンズ構成に大きな変更はなかったようです。しかし,MDタイプになってすぐに85mmレンズはf2の小型軽量タイプが登場したためにMD ROKKOR 85mm F1.7はかなり短命であったようです。85mm F1.7でについて言うならばMDタイプの方がMCタイプに比べてかなりレア度は高いと思われます。 レンズ構成は5群6枚のウルトロン型ですから,かの有名なC/YマウントのContax Planar T* 85mm F1.4と同じです。もちろん,レンズの構成が同じだからといって写り具合が同じになるわけもありません。でも,レンズ構成に共通点があるということでレンズ構成に特有の特徴は似ているかもしれません。だからどうだ,ということもないのですが。 重さは450gあまりで,58mm F1.2と同じくらいです。さすがに,どちらも大口径レンズだけあって贅沢なつくりであるためか,かなり重いレンズです。最近の高級レンズは見境なく大きく重くなっているので,1970年前後の高級レンズとはまったくスタンダードが異なります。しかし,それを差し引いてもこのレンズは十分に重く,ぎっちりとガラスが詰まっている,という感じがします(実際どうなのか,ということは別にして,イメージです)。最後の写真に見られるように,専用のねじ込み式のフードがあったようで,minoltaの文字がレトロ感満載です。 rokkorレンズはおしなべて不人気ですので,値段はあって無きが如しですが,58mm F1.2と並んで85mm F1.7は人気が高いため,相対的に高価です。この個体はローレットがゴム巻きになった後期型です。ROKKORレンズ特有のレンズ構成を示す2文字のアルファベットによる符号が省略されて以降の個体です。レンズの世代の違いはほとんど相場には影響がないようですが,58mm F1.2は金属ローレットの前期型を所有しているので気分をかえてゴム巻きローレットのタイプを入手しました。ヤフオク!で高くも安くもないほどほどの値段で落札しました。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR%2085mm%20F1.7 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #85mm #F1.7 #望遠 #単焦点 #大口径
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MC W.ROKKOR 24mm F2.8
1973年ころに発売されたレトロフォーカスタイプの広角レンズです。初期にはレンズ銘板にMINOLTA MC W.ROKKOR-SI 1:2.8 f=24mmと書かれていてレンズ構成(S=7群,I=9枚)が示されているタイプのものがあるようです。このレンズはLEICA ELMARIT-R 24mm f2.8の原型と言われているようで,実際,似たようなレンズ構成です。ライカとミノルタの蜜月時代にリリースされているのでなんとなく尤もらしい話です。ただ,詳しくみると第一群の径が異なっていたり,コーティングの違いに伴って設計が微妙に違うとのことです。また,鏡筒のフローティング構造は大きく異なっているようですので,光学系の基本設計のみが共通なのかもしれません。このレンズ構成は1977年発売のMDタイプの初期型まで継続し,その後の最後のモデル(?)ではレンズが1枚少なくなっているようです。 手持ちの個体の写真ではかすかに緑色に輝くミノルタレンズのコーティングの特徴たるアクロマティックコーティング(AC)の色がわかります。フローティング構造のおかげか,かなり寄れますし,寄ってもちゃんと写ります。 個人的には24mmという画角が結構好きで,なんでもかんでも,それこそ自分のつま先まで写ってしまう20mmのように極端にあちらこちらに気を使うことなく超広角気分で遠近感を強調した絵になるのが気に入っています。今となっては24mmはたんなる標準ズームの広角端にすぎませんが,このミノルタのMC W.ROKKOR 24mm F2.8の時代は立派な超広角でしたし,難しい画角にもかかわらず,シャープで超広角気分を盛り上げてくれる楽しいレンズでとても気に入っています。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20W.ROKKOR%2024mm%20F2.8 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #24mm #F2.8 #広角 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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HEXANON AR 50mm F1.4
HEXANON AR 50mm F1.4はHEXANON AR 57mm F1.4の後継として1973年に登場しました。57mm F1.4の時代はまだ無駄が無駄ではなかった時代であったと思いますが,1970年代はいろいろな意味でのコストカットが真剣に考えられる時代に入っていたと考えられます。そういう意味でこのレンズは新しい時代のレンズなのだと思います。 この個体はシャッター速度優先モードが使えるようになったAEタイプの最初の形のモデルです。このモデルの前には絞り優先モードにのみ対応したEEタイプがありました(1973年に登場したのはEEタイプです)。コストカットの時代に入ったのに57mm F1.4に比べてなぜかレンズが1枚増えています。後群の2群2枚はランタン材が使われているとのことで,黄変する可能性が高いレンズです。手持ちの個体はあまり黄変が気になりませんので,黄変の進行状況は個体差が大きいのかもしれません。 このレンズは写りは悪くないし,中心部はシャープなのに優しい写りで嫌いじゃないタイプのレンズです。しかし,どういうわけか,写真を撮っていてピンとこないものがあるのです。これは主観的なものなのでいわゆる相性というようなものなのかもしれません。初期の52mm F1.8が(ジャンクだったのに)それなりにインパクトがあったので,ある意味優等生である50mm F1.4の良さがわからなくなっているのかもしれません。決して嫌いなレンズではないのですが,私の感性とはどこかうまく噛み合わない部分があるレンズです。不思議です。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%20AR%2050mm%20F1.4 に置いています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #50mm #F1.4 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ AR KonicaMOR
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HEXANON AR 50mm F1.7
1973年に発売されたAUTOREFLEX T3のセットレンズとして初期型が登場しています。当初は絞り環にEEと刻印された前期型,その後,両優先に対応したAEが刻印された中期型,小型軽量化がはかられて最短撮影距離が10cm伸びて55cmになった後期型の3つのバリエーションがあるようです。この個体は後期型です。中期型に比べて35g前後軽くなっています。最短撮影距離を犠牲にして35gの軽量化って,バーターとして妥当だったんだろうか,などと余計なことを考えてしまいます。イマドキの大きく重いレンズを見慣れていると,35gスリム化するよりも最短撮影距離が45cmのほうがよかったんじゃないか,と思ってしまいます。 それと,F1.8じゃなくてF1.7という微妙に半端な開放F値がいろいろな意味で日本的です。 同時に上位機種としてHEXANON 50mm F1.4もリリースされています。この50mm F1.4のレンズは撮っていていまいちピンとこなかったのですが後からゆっくり見直してみると優しい感じで写っていました。F1.7のレンズはその廉価版ということで写りにも共通するものがあるようにも思えます。普通にまっとうな画を望むならF1.4のレンズでも開放で撮ることはあまりなくて少し絞ることになります。それなら開放で普通に写る中口径のレンズでも十分,ということはありがちです。もちろん,F1.4でなくては撮れない画は撮れないことも事実です。 このレンズは,なんというかよく言えば「普通さ」の王道をいく,悪く言えば何の特徴もないレンズ,ということになるでしょうか。小さくて軽いし持って歩くことが苦痛ではなく,普通に写るレンズです。セットレンズとして,まさしく王道をいってます。そんだけ,って感じです。 この個体は2019年の新宿クラシックカメラ博のジャンク棚から1000円で救出したものです。埃や傷やカビはそれなりですが,特にどうしようもない,というものでもなくて1000円分の仕事(ってどんな仕事?)は十分に働けそうです。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%20AR%2050mm%20F1.7 においています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #Konishiroku #50mm #F1.7 #標準 #単焦点
MFレンズ AR KonicaMOR