阿川泰子「JOURNEY」

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1980年発売の阿川泰子さんの4枚目のアルバム

日本で女性ジャズシンガーといえば
この方がやはり一番かと思います。
このアルバムでいわゆる当時の「ジャズブーム」を牽引し
それまではジャズと言えばインストものだけが
一部のマニアの中で売れる…といったジャンルから
一般のリスナーへ一気に裾野を広げたと言える1枚です。

このアルバムだけで9万枚のセールスですが
当時は一部のニューミュージック系のアルバムアーティスト以外は
全くLPが売れない時代で9万枚ってかなりすごい数字です。
このアルバムで一気に知名度も上がり
ネクタイ族のアイドル」「オジサマ族のアイドル」なんて言われていたそうです。

さすがに私は当時11歳なので
リアルタイムではアルバムを聴いていませんが
12歳の頃にははっきり名前を憶えているので
当時、FMラジオとかで結構耳には入っていたのだと思います。
でもさすがにレコードを買うほどではなかったですし
おそらくその頃ではまだこの良さもわからなかったと思います

実際にレコード買って聴きこんだのは随分後で
フュージョンや一部のテクニシャンなジャズギタリストの
アルバムとかを聴き始めた頃に
「そういえば歌モノのジャズって真剣に聴いたことないなぁ…
まずはじゃ、国内モノで…ジャズシンガーと言えば
俺だって名前くらいは知っている阿川泰子さんだ!!!」と
過去一番のヒットアルバムだったこの「ジャーニー」を
手に入れたわけです。

で、早速聴いてみたわけですが
予備知識も何もなく聴き始めたので
もっとメロウでダークな感じの曲をイメージしていたわけですね
それがオープニングの「SENTIMENTAL JOURNEY」が
めっちゃポップでディスコティック!!!
「えええええ~???こういう感じなんだ!!!
でもリズミカルで超オシャレ!!!!」って感じで
見事にいい意味で予想を裏切られました
でもこれはインパクトあるし確かに売れそうだわ…

続く「TAKE THE "A" TRAIN」も非常に軽快なアレンジでダンサンブル!
こういう味付けもいいですねぇ…
これ、昔からのこの曲を知っている方だと
違和感あったりするのですかね???
私としては非常に面白くて耳がくぎ付けになってしまいます。

さらに次の「LOVER,COME BACK TO ME!」が
メロウでジャジーな雰囲気とファンキーな部分が見事にミックスされて
非常に楽しい展開になっています。
オープニングではノリノリで聴いていたのが
いつの間にかじっくり耳を傾けて聴くようになってしまうのです。
いや~この曲順やアレンジの組立てスゴイな

A-4はいわゆるスタンダードナンバーである
「MOONLIGHT SERENADE」のカバー
まぁこういうのがメインかと思っていたのです…
これはこれで期待を裏切らない素晴らしいクオリティです。

こんな感じでカバー曲も交えながら
気づけばどっぷりハマって聴き入ってしまいます

A-5「IN A SENTIMENTAL MOOD」なんて
まさにジャジーでメロウな珠玉の一品ですし

B-1「STAR DUST」は文句ナシにとろけちゃいます

B-2「LULLABY OF BIRDLAND」のアンニュイさは
聴いていていくらでもお酒が進みます(笑

B-3「WHISPER NOT」もスタンダードナンバーですが
めちゃくちゃ洒落てます!
まぁこの世界でスタンダードナンバーと言われても
私にとってはこのジャンルになじみが薄いから
何もかも新鮮なのですが…(笑

そしてB-4「MY FOOLISH HEART」も
これまたコロコロと耳を転がっていくような
泰子さんの唄声が何とも心地よい1曲です
これもハマるなぁ…そしてまたこれもアレンジがお洒落!!!

B-5「You'd be so nice to come home to」も
スタンダードナンバーですが
あ、でもこれが元来、私がイメージするジャズ・ボーカルかな!
アレンジもメリハリ効いていてめっちゃカッコ良いです!!!
いいなぁ…もう病みつきになりそうです
とっくのとうにとろっとろにとろけまくりです…

で、ラストは「GOOD-BYE」で締めくくります
当然なんだけどいい歌声だなぁ…
いつの間にか完全に引き込まれている…

でもジャズ・ボーカルって不思議なジャンルですねぇ
この1枚だけでなくその後、このジャンルのレコードも
結構聴く機会があったのですが
一つのジャンルではくくれないほど解釈の違いや
表現の違いに溢れているジャンルだと思います。

それ言い始めるとどんなジャンルの音楽でも
「ジャンル」で括るのはあまり意味ないよなぁ…なんて思ってしまいますが…

いずれにせよ、私に新しい世界を教えてくれた1枚です!

1980年11月21日リリース

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