Ozzy Osbourne 「The Ultimate Sin(罪と罰)」

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オジーのソロとしては4作目となるアルバム
私の最も好きなギタリスト、ランディ・ローズが
不慮の事故で亡くなってから
一時的なブラッドギルスの加入等を経て
前作「BARK AT THE MOON」から
ジェイク・E・リーが正式なメンバーとなり
レコーディングにも参加しているのですが
前作では時間的な制約も多く
まだまだランディの影を引きずった楽曲が多い感じでした。
一番引きずっていたのはオジー自身だとも思いますが。。。

そうした中、本作では心機一転!
見事にジェイク色が反映され
この時代らしいLAメタルっぽいサウンドになり
楽曲もこれまでの作品とはガラッと変わりました
「BARK AT THE MOON」のツアーから
ただ事ではないテクニシャンぶりを発揮していたジェイクは
まさにこのアルバムのレコーディングでは
水を得た魚でどの曲においても
非常にレベルの高いプレイを披露してくれています。
個人的には前作からジェイクのプレイも
ランディに劣らず好きでしたが
このアルバムでますます好きになりました。
単なる速弾きとかタッピングに限らず
いたるところでオリジナリティの高いテクニックも見られ
特に「Killer of Giants」のソロなんて
当時はぶっ飛んだものです!絶対重ねていると思ったら
ひとりで同時にツインソロを弾いているのですもの!!!
あまりマニアックな話はやめておきますが
それほど驚きのプレイの連続です。
曲調が変わってもランディと同じように
これでもかと言わんばかりに
オブリガードをいたるところに突っ込んでくるのもカッコいいのですよねぇ~

和太鼓を連想させるようなドラムパートから
タイトル曲「The Ultimate Sin」が始まります
ジェイクのコーラスのかかったような独特のサウンドは
本当に重厚でカッコ良いですよねぇ…
オジーらしいおどろおどろしい部分も残しながら
見事に(当時の)今風に仕上げた良曲です!

2曲目はこれまた文句ナシにスピーディーでカッコ良い
「Secret Loser」
これをシングルカットすればよかったのになぁ…
サビもキャッチーだしインパクトあるし
ジェイクのタッピングを多用したソロもカッコ良いし
イントロのリフもカッコ良いでしょー!!!
細かいことだけどオブリガードにハーモニクス多用するのはカッコいいなぁ
私もこれ真似したなぁ(笑
アルバム中1・2を争う良い曲だと思います!

3曲目もノリノリのテンションを保ったままで
「Never Know Why」これもいいですよねぇ。。。
オジーのボーカルって派手なシャウトがあるわけでもなく
ビブラートを聴かせるわけでもなく
割と淡々と歌い続けているだけなのに
なんでこんなにカッコいいんでしょうねぇ
他の人がこのスタイルを真似しても
「ヤル気がない!」って思われるだけですよねぇ…不思議だなぁ
ジェイクのひとりディレイのようなプレイが多用されていて
これもまたカッコ良いです!

で、4曲目はこれも個人的に大好きな「Thank God for the Bomb」
このあたりが前半のハイライトだと思います!
基本的にLAメタルスタイルですので
速めのミディアムテンポといった感じの曲が多いのですが
その中でも絶妙にバリエーションが付けられていて
割と一辺倒なRATTやAC/DCあたりと比べても
聴いていて非常にメリハリあって楽しいです!

A面最後は「Never」でテンションを保ったまま終わります。
それにしても本当にジェイクのギターサウンドがご機嫌です。
ちなみにジェイクは父親がウェールズ系アメリカ人で
母親が日本人のハーフです。
日系人ってだけでまた親しみがわきますよね!
ツアーでは日の丸をモチーフにしたアクセサリーとか付けてましたし
たしかこの頃、愛車はトヨタスープラだったはず!
残念ながらこのアルバムのツアー後には
ジェイクも脱退してしまうのですが
個人的にはこのアルバムがジェイクの代表作だと思っています。

B面はキャッチーな「Lightning Strikes」で始まります!
これもシングル向き…というかアメリカウケしそうな曲ですよねぇ
いやほんとにアルバムの中だけの1曲にしておくのは
もったいないと当時から思っています。

B-2はオジーのアルバムのB面には必ず入って来る様式美的な
ドラマティックな大作「Killer of Giants」です。
ジェイクのプレイに驚きの部分が非常に多く
そこにも注目してしまいますが
単純にこのドラマティックな展開が非常に聴きごたえのある名曲です。
この曲に限って言えば非常に以前からのオジーです。
でもジェイクのプレイも見事に溶け込んでいます。
これは本当に壮大な曲ですよねぇ
当時も何回繰り返して聴いたやら。。。

B-3はハーモニクスの効いたイントロが印象的な
「Fool Like You」です。
いわゆる典型的なLAメタルっぽい曲ですね!
でもオジーが歌うと妙にLAっぽくならないのは不思議ですね!

アルバムの最後を飾るのは
シングルカットされた「Shot in the Dark」です
一番キャッチーな曲をラストに持ってくるっていうのも
ちょっと変わってますよね
通して聴いていると前の曲でいったんアルバムは終わって
この曲がボーナストラックみたいに感じられてしまうのですが…
曲順はともかく確かにシングルカットされるだけあって
非常にとっつきやすい曲で
HR/HMを聴かない方でも比較的耳になじむ曲だと思います。
カッコいいのですが
アルバムが全体的にヘヴィなので
ちょっともの足りないような気も…
あ、だから最後に持ってきたのか…
これがアルバムの中にあるとちょっと埋もれてしまいそうですもの…

ヒサビサに最初から最後まで通して聴きましたが
オジーの存在感は相変わらずですが
やはりこのアルバムの主役は個人的にはジェイクですね!
もうむちゃくちゃカッコ良いです。
私、実はこのアルバム以降のオジーはCD持ってても
あまりまともに聴いていないのですよねぇ
それほどこのアルバムがインパクトあり過ぎて…

1986年2月22日

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