アドルフに告ぐ/ 手塚治虫 作

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 初めて読んだ時、何故か 見てはいけないものを見てしまった様な、知ってはいけないものを知ってしまった様な罪悪感に似た気持ちに苛まれ、やり場のないその気持ちに飲み込まれそうになった記憶があります。
 同氏の『ブラックジャック』を読んだ時も 似たような感覚になったのですが、これはその数十倍の威力がありました。私は昭和30年代の生まれなのですが、手塚治虫氏の作品を楽しく読んだ思い出は あまりありません。澱んだ垂れ込めた雲の下、晴れない気持ちでページを繰った記憶の方が圧倒的に多いですね。

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