セロニアスモンクに捧ぐ

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半音階の多用、ホールトーン・スケール(全音音階)、長い休符、大きな音程の跳躍、独得のコード進行、親しみやすくユーモラスなメロディ、不協和のクラスターに満ちたストライド・ピアノ・スタイルなど、ユニークすぎて余人にマネのできない芸当でした。

 そのため、モンクはビバップ全盛期には評価されず、ビート・ジェネレーションが台頭してきた50年代半ばになって、彼らから "アヴァンギャルド" として熱烈に支持されるようになりました。

 しかし他方で、モンクの音楽には古い時代のジャズ、ゴスペル、ブルースといった南部黒人音楽の "伝統" が深く根を下ろしています。

 このように多様な要素からなるモンクの音楽は、現在も古びることなく、バップとフリーを問わず、ジャズに限らずジャンルを超えて世界中の多くのミュージシャンたちから愛されているのだと思います。

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 こうした視点からモンクの音楽を再解釈した最初の成果が『セロニアス・モンクに捧ぐ』That's The Way I Feel Now: A Tribute to Thelonious Monk でした。

 オリジナルは、84年にA&MレコーズからLP2枚組、全23曲で発売。日本盤は同年アルファ・レコードから発売されました。

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