日吉橋 箱場印

初版 2022/12/30 19:50

改訂 2022/12/30 19:55

日吉橋の箱場印は「日吉」の二文字で、外枠が丸のものと長方形の2種類(Type A, Type B)があります。日吉橋箱場印は大阪の箱場印の中でも難関の一つで、「摂河泉の郵便印」のリストではレア度として上から2番目の「RR」となっています。

ここでご紹介するのはType Bの緑印です。Type Bにはこの他にも朱色、黒色があるようですが、そもそも日吉橋箱場印そのものが少ないので、ヴァリエーションを揃えるのは夢のまた夢のように思っています。

この使用例は、私が持っている唯一の脇付き二つ折り半銭葉書で、裏面にごく薄いのですが日吉橋箱場印が押されているものです。箱場印が押されている半銭葉書は意外と少ないように思っているので、余計に大切にしているアイテムの一つです。

日吉橋は、道頓堀川の西の果て、木津川との合流地点の手前に架けられている橋で、地図でもわかるように大阪市街から遠く離れた場所にあります。私が持っている大阪の箱場印の中で、大阪市街から一番遠い箱場のものでもあります。場所的には不便なところのように思われますが、周辺は材木問屋が多かったようで、また、木津川の河口から出入りする船の船着場があり、廻船問屋や宿屋などが立ち並んで賑わっていたそうです。日吉橋は現在も鉄製の桁橋として残されています。

さて、市内便に使われる半銭葉書の箱場印が少ないと書きましたが、そもそも大阪での半銭葉書の使用例は1銭葉書に比べると圧倒的に少ないように感じているので、自然と箱場印に出会う機会が少ないのかも知れません。それではなぜ半銭葉書の使用例が少ないのか勝手な解釈をしますと、大阪人の代名詞(?)にもなっている「いらち」=せっかちさが関係をしているのではないかと思っていて、市内の宛先に何か知らせを伝える必要が生じたときにも「手紙書いて、そのまま持って行ったほうが早いわ」と、丁稚さんか誰かにひとっ走り自家配達させていた、そのためによっぽどのことがない限り、市内宛てには郵便物を出さなかったのかな、と妄想している次第です。

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unechan

子供の頃から細々と続けてきた切手収集。長年のブランクを経て10年ほど前から再開し、日本切手クラシカル、ドイツインフラなどを収集。併せて手彫証券印紙の収集を始め、現在はこちらがコレクションのメインになっています。郵趣に加えて音楽(ジャズ)、釣り、鉱石収集、昆虫採集(蛾類)など趣味多数にて家族には迷惑をかけております…

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