週に8日はビートルズ

初版 2022/02/05 23:40

改訂 2022/11/23 12:43

「週に8日はビートルズ」香月利一著 1993年12月25日発行 立風書房



先日、ネットで入手して読みました。

なぜ、約30年前に発行されたこの本を今頃入手したかというと...


前々回のモノ日記でジョージアに触れ、前回のモノ日記でビートルズに触れました。

そこで、ある偶然に気が付きました。それはビートルズのある楽曲にジョージア(グルジア)が登場すること。

そう、「Back in the U.S.S.R.」です。

チャック・ベリーの「Back In The U.S.A.」をパロったこの曲の


Well,the Ukraine girls really knock me out

They leave the West behind

And Moscow girls make me sing and shout

That Georgia’s always on my mi-mi-mi-mi-mi-mi-mi-mi-mind


「Georgia on My Mind」(我が心のジョージア) と当時ソ連の構成国であるGeorgiaを引っ掛けたダブル・ミーニングのジョーク。


この部分の対訳、ホワイトアルバム (LP) のラーナーノーツでは、


ウクライナの娘にゃどうにも弱いぼく

西洋なんとやらのあの娘たちだ

モスクワの娘もこれまた遊び上手

それにグルジアの娘 これまたいかす連中さ


因みにホワイトアルバム (CD) のラーナーノーツでは、


ウクライナの娘たちには まいっちまうさ

西洋なんて 屁とも思っちゃいないのさ

それにモスクワの娘たちときたら

”我が心のジョージア”をぼくに大声で歌わせるのさ


私はLPを買っていた当時もCDを買っていた当時も、日本で発売された洋楽のレコードのライナーノーツに1度は対訳も含めて目を通しましたが、それ以後2度と読むことはありませんでした。歌詞そのものは、聴きながら口ずさむために何度か目を通しましたが...


なので、対訳を読んだのは買った時以来。

両者を比較してみると、グルジアとジョージアを引っ掛けていることがわかるのはLPの対訳。


対訳は落流鳥。正直、今更ながら初めて見る字面。おちるとりって読むのかなあ?

なんだか妙に興味をそそられて、ググってみました。

引っ掛かったのは、知恵袋で、

LP時代、ビートルズのいくつかのアルバムのライナーノーツで歌詞の対訳をしていた落流鳥氏とは何者なのでしょうか?

という質問に対するベストアンサー。

香月利一氏の「週に8日はビートルズ」(1993年、立風書房)に、落流鳥氏の正体を特定できそうな具体的な記述があり、香月利一氏と落流鳥氏は高校の同級生で、香月氏をビートルマニアにした張本人だそう。


驚いたのは、その高校が、私が卒業した高校!そして、香月氏が当時住んでいた市が、私が今住んでいる市。さらに落流鳥氏は学部は違うけれど大学も私と同じ!

大学が同じというだけならスルーしてしまいますが、高校も同じとなると俄然この落流鳥氏なる人物に興味がわき、本書を入手した次第。


本書を一読する前に、上記のとおり、LP時代、ビートルズのいくつかのアルバムのライナーノーツで歌詞の対訳をしていた落流鳥氏とあるので、中学生時代に買った日本発売の手持ちの以下のLP

Please Please Me

With The Beatles

A Hard Day's Night

Beatles For Sale

Help!

Rubber Soul

Revolver

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

Magical Mystery Tour

The Beatles

Abbey Road

Let It Be

のライナーノーツを確認してみると


With The Beatlesの全曲


RevolverのTaxman、Eleanor Rigby、Yellow Submarine


The BeatlesのBack in the U.S.S.R.、Ob-La-Di, Ob-La-Da、While My Guitar Gently Weeps


以上が落流鳥氏の対訳。


で、本書を一読、落流鳥氏に係る記述を拾ってみると、


「その男こそ、Tだった。30歳を越えるビートルズ・ファンなら、落流鳥という彼の別名を知っているだろう。1970年代にビートルズ関係レコードの対訳者として活躍する一方、放送作家としてニッポン放送で活躍していた男である。」

という記述に始まり、本書の第1章にはTについての記載が随所に出てくるのですが、本名ではなくTというイニシャル。

大学時代、Tと香月氏は東芝の水原健二氏のもとへ出入りし、ビートルズ・ファン・クラブの仕事を手伝ったりしていて、大学卒業後、Tは、水原氏が設立したMT企画という会社に入社。

本書の中で1か所だけ、Tの苗字が出てくる箇所が...

デザイン会社IのH女史が香月氏に話す以下の記述。

「ある出版社が最近音楽関係の本に力を入れていて、ビートルズの本を出したがっているの。鳥居クンに相談したら、僕がやる、僕にしかこの本はできないというのよ。どう、売れると思う?」


ということで、落流鳥氏の苗字は鳥居。

そこで、高校の同窓会会員名簿で探したら、第68回卒業生の中に香月利一氏と鳥居〇〇氏の名前を発見。第68回卒業生で鳥居という苗字は1人だけ。

私は第81回ですから、お二人は大先輩です。


まず、鳥居〇〇で間違いないと思い、ググってみましたが、該当人物はヒットせず。

そこで鳥居〇〇にもう1つキーワードを加えて検索したところ1件だけビートルズ関係の古本に関するサイトがヒットしました。

因みに国立国会図書館のサイトで落流鳥で検索すると

ポール・マッカートニー詩集 : アナザー・デイ

図書 落流鳥 訳. 日本MPLコミュニケーションズ, 1988.10 <KS164-E91>

という情報がヒットしますが、

鳥居〇〇で検索すると、

一致するデータは見つかりませんでした。

という結果に。


本書でもTとイニシャルで記されているし、ご本人も基本的にペンネームのみ使っていたような感じなので、ここでも〇〇に留めておきます。


結局、落流鳥氏について、本名のフルネームは判明したものの、70年代におけるいくつかの対訳とポール・マッカートニー詩集 : アナザー・デイ(1988年発売)の訳の他にはビートルズに係る彼の成果物を見つけることができず、また、その後現在に至るまで、どうようなことをされているのか残念ながら知ることはできませんでした。


しかし、本書によって別の思わぬ成果が得られました。

それは、1991年12月14日、妻と一緒に東京ドームで開催された

GEORGE HARRISON WITH ERIC CLAPTON AND HIS BAND

のコンサートに行ったのですが、そこで演奏された曲の記憶がすっかり不確かなものになっていましたが、香月氏もこのコンサートに行ったようで、その様子が克明に描写されていて演奏された曲が以下の順だったことがわかったことです。

1.I Want to Tell You

2.Old Brown Shoe

3.Taxman

4.Give Me Love

5.If I Needed Someone

6.Something

7.What Is Life

8.Dark Horse

9.Piggies

10.Got My Mind Set on You

11.Cloud 9

12.Here Comes The Sun

13.My Sweet Lord

14.All Those Years Ago

15.Cheer Down

16.Devils Radio

17.Isn't It A Pity

18.While My Guitar Gently Weeps

19.Roll Over Beethoven


おしまい(^^)


#ビートルズ

#落流鳥

#ジョージ・ハリスン

#思い出

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    〝音斎処〟

    2022/10/31 - 編集済み

    この本私も持ってます。香月利一さんは何冊もビートルズ関連の本を出されてますね。

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      ts-r32

      2022/10/31

      〝音斎処〟さん、コメントありがとうございます😊
      おっしゃるとおり、沢山の著書がありますね。
      この本にも書かれていますが、仲人がリンゴ・スターって凄いですよね!

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    〝音斎処〟

    2022/11/22 - 編集済み

    香月さんの本、ただ今書籍の終活中で、やっと見つけt。

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      ts-r32

      2022/11/22

      1988年の改訂増補版でしょうか。いいですね!

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      〝音斎処〟

      2022/11/23

      その通りです。
      それとこちらも見つけdqしました。只今終活書籍整理絶賛進行中也

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