John Lobb(Paris)の黒(ボックスカーフ)

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前出のビスポークとは異なり、こちらはエルメス傘下のいわゆる「ロブパリ」の既製靴で、1990年代初期に製造されたもの。アッパーは実はJ.M.Westonと全く同じ、フランス・デュプイ社のボックスカーフ(同社も現在はエルメスの傘下)。しかしデザインの違いでそう見えるのか、はてまた革のグレードが多少異なるのか、こちらの方が透明度に若干秀でており、磨くといぶし銀のようなさ締まった光沢を放つ。この靴の木型である“Derby”は、現行品の主流・#7000の3世代前にあたり、やがて完全買収することになるエドワード・グリーンの当時の工場に委託生産させ始めた最初期にしか使わなかったもの。足囲は表記こそEだが実際にはC程度しかなく、フォーマルユース用らしい細さと低さが際立つ。

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