慶應四年(1868年)作 八寸 五段重 「寒紅梅」

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慶應四年(=明治元年1868年)作の五段重「寒紅梅」です。八寸の堂々たる作品です。松葉の中に卵殻を散りばめた変り塗です。この作品の松葉は特に長いものを使用しているのが、別作品の同じ模様(画像8枚目)と比較すると一目瞭然です。この当時は100%国産の漆だったはずですが、透き漆の質が良いので、裏の金箔の輝きが一層映えます。

いつも思うのですが、一年の途中で年号が変わる場合は箱書は大変難しいですね。新聞もネットもテレビもないこの時代、どの時点で世の人は慶應が明治に変わったと認識したのでしょうか。

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