革バカ一代(byつのだじろう)

注文靴を作る際、靴のスタイルと共に、一般的なカーフにするか、グレインレザー、スエードにするかなど、ひとつの革に決めるのは悩ましい選択であります。ただ使う革を自分で選ぶことが出来るのは、靴好きには嬉しいことだと思います。

私は2000年に日本の工房にお願いして、ビスポークのブーツを一足作りました。その際、お店の方に革のスウォッチを頂き、それを今でも大切に保管しています。下がその革の見本です。

この革見本の革ですが、以下はイタリア、トスカーナにあるバダラッシ カルロ社の革です。創業60年に満たない比較的新興のタンナーですが、植物タンニン鞣しなど上質な革を作り続けています。

バダラッシカルロ　蠟引カーフ　ライトブラウン。あまり蝋は目立ちません。

バダラッシカルロの蠟引カーフ（正式名称を忘れました）。私がこの工房でブーツをお願いした革です。バーガンディーっぽい赤茶です。シボのあるブライドルレザーといった雰囲気でしょうか。やや硬めの革ですが、色が美しいので迷わずこの革を選びました。。

バダラッシカルロ　ミネルヴァボックス グリーン

バダラッシカルロ 　ミネルヴァボックス 赤。とても鮮やかです。

バダラッシカルロ　ミネルヴァボックス 黒。柔らかい手触りです。

以下はフランスのデュプイ社のものです。アノネイと並び、フランスを代表するタンナーですが、両方ともエルメスに買収されたという笑えない状況になっています。

デュプイ　ボックスカーフ　ブラウン。

デュプイ　ボックスカーフ　黒。私の写真はちょっとピンぼけですが、輝きが素晴らしいです。多くの人間を靴沼に落とした悪魔(天使？)のカーフです。

デュプイ　ボックスカーフ　ブラウン。

デュプイ　　カントリーカーフ　ブラウン。

デュプイ　　カントリーカーフ　黒。

デュプイ、アニリンカーフ黒。遠目ではおとなしい感じがするカーフです。

デュプイ、アニリンカーフブラウン。

バッファローカーフ、黒。バッファローと言われていますが、この革は正真正銘、牛の皮です。正式名称は「セミクロムバッファローベビーカーフレザー」。アニリン鞣しとクロム鞣しの「良いとこ取り」を目指したカーフです。

バッファローカーフ　ブラウン。英国の古い革見本なども見てみたいものです。

そして下が私の注文したハンドウェルトのブーツです。

全体に大変細身の靴になっており、トゥシェイプはグリーンの88を元にラストを作ってもらいました。

踵の丸さ、アキレス腱部分の細さ、自分の足そのままに近い形状になっているように思います。

モカ部分は埋め込んだU字型になっています。

野趣溢れる革の表情。この雰囲気をとても私は気に入っています。