猫足のようにしっかりグリップします~キャッツパウ・ラバー

初版 2023/01/11 12:26

改訂 2024/04/12 11:50

米国製のヒールラバーに「キャッツパウ CAT'S PAW」という名前の製品があります。製造しているボストンの「フォスター・ラバー・カンパニー」は1900年頃から存在する会社で、可愛い猫の姿がラバーに刻印されています。私もデッドストックのここの商品を何度か購入し、ヒールトップの交換が必要になった靴に使っています。

1910年頃の広告です。

これは1912年のポスターです。「丸いプラグ部分がスリップを防ぐ」と宣伝しています。

1914年のキャッツパウの広告です。同年のワールドシリーズを制したボストン・ブレーブスのメンバーのコメントが載っています。地元ボストンの会社らしい宣伝ですね。

A 1914 advertisement for The Foster Rubber Company, Cat’s Paw Rubber Heels, featuring members of the World Champion Boston Braves:
“Pennant winners must have sound legs and steady nerves.”  Johnny Evers:
“The change from spiked shoes into street shoes that have Cat;’s Paw Rubber Heels. The heels make walking on cement a pleasure–and ten percent easier on the feet and legs.”  Bill James:
“I’m more afraid of a slippery sidewalk than a pair of flying spikes.”  Rabbit Maranvile:
“I have to use spikes for speed on the field; for comfort on unyielding sidewalks and pavements I use Cat’s Paw Rubber Heels.  They’re great.”

ここではジョニー・エバースがフィーチャーされています。「足元のラバーを見せる紳士」としては最初期のポスターですが、遠近感がなにか変です(笑)。

パルミジャニーノ並みに変。

こちらは1916年の広告。それにしても同社の猫は、いつも毛を逆立てて興奮しているのは何故?

これは1917年の広告。昔の広告のイラストは品が良いですね。

その後も「どや顔」で足元のラバーをバーンと見せるのが同社お決まりのポーズです(笑)。人間工学的に不自然な姿勢がまた可笑しいですね。

こちらも同様のポーズ。チョッキ(ベスト?)を着ているところが特徴です。

猫だけの方がポスターとして感じが良いです。

1951年の広告です。「テレビショッピングでテフロン加工のフライパン売ってそうな男性」が、これまたソールをこちらにどんと向けていますが、靴を手に持っているのでこっちの方が自然なポーズです。

サイズは豊富に揃っていて、子供用から15くらいまでのサイズがあります。

赤い箱に入っていることが多いのですが、白い箱もありました。

一般的なラバーの形状です。穴が開いていますが、これはこのラバーを固定するための釘穴です。元々のヒールトップの形状と完全には一致しないので、嵌めた後にラバーの外縁部分を削って調整する必要があります。

猫の絵は2パターンありますが、私は右側の方が好きです。白い丸の部分が滑りを抑えるプラグです。

プラグにも白黄色っぽいものの二種類があります。

実はオサリバンにも同様のプラグが付いています。しかも3つ!

ヒールトップの前方が波打ったカーブのラバーもあるのですが、どちらかというと使いづらい形状です。

こちらは私のグリーンに装着したキャッツパウ。この白いプラグが滑りを防止する優れものです。ほとんどのデッドストックは製造から少なくとも50-60年程経過していますが、ラバー部分の劣化は大変少なく、グリップ性能も非常に優れていると思います。

チャーチのキャノンにも装着しています。円弧部分が猫の肉球のようになっているのが憎いですね。

1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。

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    mat2193

    2023/01/11 - 編集済み

    読み応えありました!昔はいろいろ個性的なパーツがあって本当におもしろいですね!

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      グリーン参る

      2023/01/11

      確かにおっしゃるとおり、昔のパーツはバラエティーに富んで楽しいです。ここのラバーは本当に経年劣化の少ない商品だと思います。チャーチのラバーはデッドストックでも年数がたっていると、履き始めて間もなく消しゴムのカスのようにどんどんラバーが剥落していきます。その点、キャッツパウもオサリバンも性能が落ちて来ません。
      画像は1918年の広告です。

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