ジルコン(ヒヤシンス鉱)

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キュービック ジルコニアと混同されてしまうこともあるジルコンですが、実は世界最古の鉱物として、地球の成り立ちの解明にも貢献しています。

ダイヤモンドと同じ金剛光沢のジルコンは、ファセットカットすることでファイアと呼ばれる虹色の輝きを見せてくれる美しい石です。

オーストラリア西部にて、約44億年前にできたものが発見され、現段階で“地球上で最も古い鉱物”と認識されているのがジルコンです。

マグマが冷え固まることでできる火成岩(かせいがん)の中から結晶として産出される、地球上に広く分布するケイ酸塩鉱物です。

また、岩石が風化や侵食されることでできる堆積岩(たいせきがん)中の、砕屑物(さいせつぶつ)としても存在しています。これを「ジルコンサンド」と呼びます。

陶器などに色付けする際の釉薬(ゆうやく)に用いられたり、工業製品の原料や研磨材に用いられたりと、幅広い用途のある鉱物でもあります。

ジルコンの語源は、アラビア語で朱色の意味の「zarqun」や 、ペルシャ語で金の意味の「zar」と色の意味の「gun」を由来とする説など、さまざまなものがあります。

また、和名になっている風信子に関しては、ギリシャ神話に出てくる美少年ヒュアキントス(Hyakinthos)の名に由来するといわれています。

最古の鉱物として知られるジルコンは、放射年代測定のひとつであるフィッショントラック法(FT法)により、岩石などが形成された年代を調べるために用いられる、主要鉱物としても採用されています。

地球誕生からの古い歴史を知る上で、最も重要な鉱物のひとつでもあるのです。

ダイヤモンドにも引けをとらない、ファイア(ディスパージョン)と呼ばれる七色の煌(きらめ)きを有するジルコンは、ダイヤモンドと比較してリーズナブルで、さまざまな色合いがあり、大粒の美しい石も採石されることから愛好家の多い宝石です。

特に、カンボジアから産出されるブルー系のジルコンは最高品質のものが多く、人気があります。

このさまざまな色合いは、ジルコンの、熱によって色が変化する特性によるものです。そのため、カラージルコンはトリートメントの加熱処理により、カラーコントロールしたものが数多く流通しています。

こちらはナチュラルカラーです。
オレンジ系です。

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