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ユークレース
ユークレースは、「見かけたら買うべき宝石」といわれるほどに、数あるレアストーンのなかでもトップレベルのレアさを誇る宝石。 ジュエリーショップなどでは、絶対に見かけないと言い切ってもいいほどレアなユークレース。所持しているのはよほどのレアストーンコレクターだけともいわれています。 モース硬度が6.5~7.5なので、そこそこの硬度があり、傷はつきにくいといえます。 ただし、「eu(簡単に)klasis(割れる)」というギリシャ語が名づけの由来となっているだけあって、ユークレースは非常に割れやすい宝石。一方向に割れる劈開(へきかい)という性質をもつため、ジュエリーなどの装飾品にはあまり向いているとはいえません。 こちらのユークレースは最初に手に入れたユークレースよりも青色が強めで私の好みです。 マイベストコレクションの一つです。
完全 不純物として微量元素が含まれることがある 3500円Sasaki Aya
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ジルコン(ヒヤシンス鉱)
キュービック ジルコニアと混同されてしまうこともあるジルコンですが、実は世界最古の鉱物として、地球の成り立ちの解明にも貢献しています。 ダイヤモンドと同じ金剛光沢のジルコンは、ファセットカットすることでファイアと呼ばれる虹色の輝きを見せてくれる美しい石です。 オーストラリア西部にて、約44億年前にできたものが発見され、現段階で“地球上で最も古い鉱物”と認識されているのがジルコンです。 マグマが冷え固まることでできる火成岩(かせいがん)の中から結晶として産出される、地球上に広く分布するケイ酸塩鉱物です。 また、岩石が風化や侵食されることでできる堆積岩(たいせきがん)中の、砕屑物(さいせつぶつ)としても存在しています。これを「ジルコンサンド」と呼びます。 陶器などに色付けする際の釉薬(ゆうやく)に用いられたり、工業製品の原料や研磨材に用いられたりと、幅広い用途のある鉱物でもあります。 ジルコンの語源は、アラビア語で朱色の意味の「zarqun」や 、ペルシャ語で金の意味の「zar」と色の意味の「gun」を由来とする説など、さまざまなものがあります。 また、和名になっている風信子に関しては、ギリシャ神話に出てくる美少年ヒュアキントス(Hyakinthos)の名に由来するといわれています。 最古の鉱物として知られるジルコンは、放射年代測定のひとつであるフィッショントラック法(FT法)により、岩石などが形成された年代を調べるために用いられる、主要鉱物としても採用されています。 地球誕生からの古い歴史を知る上で、最も重要な鉱物のひとつでもあるのです。 ダイヤモンドにも引けをとらない、ファイア(ディスパージョン)と呼ばれる七色の煌(きらめ)きを有するジルコンは、ダイヤモンドと比較してリーズナブルで、さまざまな色合いがあり、大粒の美しい石も採石されることから愛好家の多い宝石です。 特に、カンボジアから産出されるブルー系のジルコンは最高品質のものが多く、人気があります。 このさまざまな色合いは、ジルコンの、熱によって色が変化する特性によるものです。そのため、カラージルコンはトリートメントの加熱処理により、カラーコントロールしたものが数多く流通しています。 こちらはナチュラルカラーです。 オレンジ系です。
なし ハフノン 北海道鉱物・クラフト展Sasaki Aya
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アクアマリン(緑柱石)
アクアマリンは、3月の誕生石として有名ですね。 身につけると、まるで穏やかな海に身をゆだねているような、清らかな癒しのエネルギーで満たしてくれます。 それは、海がすべての生命の源であるからでしょうか。母なる存在の海は、私たち生命にやすらぎと穏やかな癒しをもたらしてくれるようです。 海のような癒しをもたらしてくれるため、周りの人に対しても優しく穏やかな気持ちで接することができるようになるなど、コミュニケーション能力をUPしてくれるといわれています。 また、人と人を調和させるパワーも持ちますので、仲違いしている夫婦や恋人には、仲直りのキッカケをそっと与えてくれるでしょう。 その名のとおり海とのかかわりも深く、船乗りたちの間では航海安全や豊漁のお守りとして大切にされてきました。海だけではなく、旅行などにも身につけていくと不慮の事故や災害から身を守ってくれるでしょう。 アクアマリンは別名『天使の石』と呼ばれ、美しい若さと幸せな喜びを象徴するとされています。『幸せな結婚』を象徴するとともに子宝に恵まれる石としても人気の石ですので、結婚を控えている人への贈りものとしても喜ばれるでしょう。 その春の色世界を思わせる色彩は見る人を幸せな気持ちにさせるパワーに満ちています。 夜になるといっそう輝きを増すため、『夜の女王』と呼ばれることもあるアクアマリン。その特性から『人生の壁や暗闇に迷った時、新たな希望の光をもたらす』といわれています。 身につけることにより、これから進む人生の航海に希望の光で持ち主を守ってくれるでしょう。 その魅力は、フランス王妃"マリーアントワネット"がダイヤとともに愛してやまなかった宝石であると伝えられているほど。 中世ヨーロッパでは、ロウソクなどの夜の照明の中でとりわけ美しく輝くことから、夜会用の宝石「夜の女王」としても好まれていました。 また、"月の光を受けて輝く"という幻想的な特性を持つ宝石であるため、別名「人魚石」とも呼ばれることがあるそうです。 神話では『海の精の宝物が浜へと打ち上げられ宝石になった』とされるアクアマリン。 美しい海をちいさな石に閉じ込めたような、広く深い世界を感じさせる宝石ですね。 古代ローマでは、月の女神『ディアナ』の石とされています。 『ディアナ』は太陽神"アポロン"の妹であり、勇敢で活動的な女神であったと伝えられています。 そんなさわやかな女神のイメージどおり、深い透明感のブルーは、どこか凛とした雰囲気を感じさせます。
ブルートパーズ 800円 ケイ酸塩鉱物Sasaki Aya
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ゴシェナイト/ゴシュナイト/ゴーシェナイト
ベリル(緑柱石)の中でも無色透明なものを、ゴシェナイトと呼びます。 ゴシェナイトが最初に発見されたのがアメリカ・マサチューセッツ州にあるゴーシェン(Goshen)でした。そのことから地名の一部を取ってゴシェナイトと命名されました。 化学成分から見た見地では、ベリリウムを主成分とするケイ酸塩鉱物に分類されます。 高い屈折率を誇り、ダイヤモンドに近い輝きを有することから、「模造ダイヤモンド」や「ダイヤモンド類似石」として機能していたこともありました。フォールス ネームとしてライン・ダイヤモンドと呼ばれている石はゴシェナイトのことです。 ベリルの中でもインクルージョン(内包物)の少ないゴシェナイトですが、その中でもさらに内包物が少なく無色透明度の高いゴシェナイトは希少なため、高い価値を誇ります。 フォルスネームとは誤った名称を意味します。見た目の似ている、より価値の高い宝石名を意図的に付けることで、消費者に錯覚を覚えさせる目的があります。またこれを転用して、“価値の高い宝石のように美しい”ということを表現する目的で、通称として使用される例もあります。(例:ハーキマー産水晶=ハーキマー・ダイヤモンド) ライン・ダイヤモンド:ゴシェナイトの他には、ガラスやアクリル樹脂などで作られたラインストーンを指すフォールス ・ネームでもあります。
北海道鉱物・クラフト展 2018年11月 ケイ酸塩鉱物Sasaki Aya
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ヘリオドール(ゴールデンベリル、イエローベリル)
ヘリオドールは、ベリル(緑柱石)の中でも、黄色系の色をした石を表す宝石名で、3価鉄イオン(Fe3+)が発色要因の、ケイ酸塩鉱物です。 その色合いから「イエローベリル」、ゴールドのようにも見えることから、「ゴールデンベリル」などと、色名を冠した名称で呼ばれることもあります。 アクアマリンとともに、主にペグマタイト鉱床から産出される、きれいな六角柱状の結晶をした鉱物で、大きな塊(かたまり)で見つかることも多いのですが、宝石質であることはまれです。 1910年(1913年とする説もあり) に、ナミビア西部のエロンゴ州にある、同国最大のウラン採掘場所のロッシング(Rossing)鉱山にて発見され、命名されました。 ヘリオドールは、太陽のように輝くゴールド色をした石であったことから、ギリシャ語で太陽を意味するヘリオス(Helios)と、贈り物を意味するドロン(Doros) を組み合わせた、“太陽の贈り物”という意味の造語として命名されました。 「ヘリオドール」と「ゴールデンベリル」、「イエローベリル」は、厳密には3種とも異なる宝石名である、という考え方も業界の中にはあります。ヘリオドールは黄緑色のもの、ゴールデンベリルは黄金色に見えるもの、イエローベリルは黄色のものとする説です。 しかし、鑑別の際、この3種を分ける線引きはありません。このことが、普及を難しくしているのではないかと思われます。 また、鉄イオンが発色の要因になっているものを「ゴールデンベリル」「イエローベリル」、酸化ウランが発色要因に含まれるものを「ヘリオドール」と区別する説もありますが、明確に分けられないものが多く存在するため、普及していません。 加熱処理することでアクアマリンになります。 こちらのルースはクリーンアイです。 澄んだ黄色です。
3500円 ラクマ 2018年12月Sasaki Aya