真名川球状岩

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最大15㎝、平均5㎝内外の直径の輪状に有色鉱物(黒雲母・角閃石)が線上に配列し、それが1~2㎜の間隔で数条集まり、幅4~10㎜の縞状の同心球殻を作っている。輪は一重の場合のみでなく二重、三重の場合もある。
【内核】大きさは大体2㎝以上である。時に角閃石の結晶が中心から放射状に配列している場合もあり、また、角閃石が中心に集合して核状を呈する場合もある。
【球殻】縞状の黒い部分はほとんど黒雲母で構成され、白い部分は、斜長石で構成される。
<”1/50000地質図幅説明書荒島岳”から要約>

飛騨片麻岩類に接する形で分布する石英閃緑岩に球顆が含まれていますが、球果の含まれる母岩は粗粒で、バラバラ入ったいびつな角閃石の結晶が特徴的です。一般的な石英閃緑岩とは違い、変成作用で再結晶した匂いがプンプンします。

《コラム》
荒島岳球状岩は鑑賞石の世界では”時計石”呼ばれています。球中心から外側に向けて角閃石の結晶があたかも時計の針の様に見える石が採取されるためです。天然記念物に指定される中足谷(足谷)では採取することはできませんが、大雨の後、流れてきた礫が真名川の河原で拾えます。この川、鮎釣りなど渓流釣りで有名な川で、釣り人が良い標本を見つけているかもしれません。

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