毛無山球状花崗岩
毛無山産球状花崗岩は、有色鉱物が放射状に配列した断面を持つ。球顆の大きさは1.5〜8cm。
【コア】花崗岩質と苦鉄岩質に二分される。コアと球顆は相似形になるものが一般的。
【マントル】主に黒雲母と角閃石で構成され、リムに向かって末広がりになるのが通常である。
【リム】構成する有色鉱物の大半が黒雲母で構成されている。
【充填岩】球顆を構成する鉱物より明らかに大型の結晶を持つ。
<”長野県下伊那郡喬木村毛無山産球状花崗岩の球顆について”から要約>
有色鉱物の放射状配置がはっきりしている点で毛無山球状花崗岩が日本一だと思います。古い論文では、球状岩の形成を、フォルンフェルス物質がアルカリに富んだ花崗岩質マグマの影響を受けて花崗岩化されできたと記述されていますが、さっぱりわかりません。
《コラム》
菊目石(毛無山球状花崗岩)はその美しさから昭和40年代前半に心無い建設会社が無許可でダイナマイトを爆破して採掘したそうです。そこで、1971年に喬木村重要文化財、1975年に長野県文化財指定され保護されています。今後、盗掘や破壊から守るため、今のまま簡単にたどり着けない交通状況が良いのかもしれません。
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