万古球状花崗岩
土地の人はゼニ石と呼びその存在を知っていたが、学会には未知の新産地である。その正確な産状を知ろうとして上流を遡行したが、絶壁懸崖多く、困難を極め遂に高さ数mの瀑布(魚止の滝)のため中止した。
<"球状閃緑岩の新産地"から要約>
万古球状花崗岩は長径4〜7cmの球顆(目玉)と基質からなる。球顆と基質との関係は、基質の中に球顆がまばらに分布する状態から、球顆同士が接触していて基質がほとんどない状態まであるが、その関係については、これからの調査が待たれる。球顆を構成している部分は球体から楕円体のものが一般的であるが、互いに接している球顆が押されて変形しているものもみられる。球顆を形成している鉱物は周囲の生田花崗岩と同様で、主たる有色鉱物は黒雲母、角閃石など、無色鉱物は斜長石、カリ長石、石英などである。球状花崗岩を取り巻いてる生田花崗岩との境界は非調和的であり、たたくと球顆が抜け落ちることもある。球顆の外縁部に位置する鉱物は、必ず有色鉱物である。
<"長野県飯田市千代地区万古(まんご)川に産する球状花崗岩類"から抜粋>
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