- 909 Museum
- 4F 諏訪根自子さん展:媒体掲載
- 薔薇は生きている 1935年 9月12日 発行
薔薇は生きている 1935年 9月12日 発行
1933年3月に15歳で早逝された山川弥千枝(山川彌千枝)さんの遺稿集。
初出は1933年6月に『火の鳥』全編にて発表されたもの。川端康成氏はじめ有名文士さん方より大絶賛され反響を巻き起こしたその後、翌々年の1935年の9月に一冊の単行本(豪華函入り)に纏められ沙羅書店より発売されました。(故にこの発行日を選択しました)
更にその4年後の1939年に甲鳥書林からも一圓(円)五十銭で発売され、同書林版だけでも確認出来るだけでも60刷以上に及び(*因みに所有品は1941(昭和16)年版の第58刷!)大ベストセラー化。以後戦後間もない頃に発行されたヒマワリ社版は中原淳一氏の装画でたいへん美しく希少であり人気が高いみたいです。近年は2008年 創英社より刊行されていてこちらは中村佑介氏表紙イラスト、川上未映子さん解説文、帯文 緒川たまきさんと時代を映します…。
…と偉そうに書きましたが、知ったのはごく最近です^^;
この本は山川彌千枝さんの遺稿…8歳から15歳時の日記/作文/短歌/手紙/絵で構成されています。
少女文学の瑞々しい類稀なる才は凡人には筆舌に尽くし難く、また末尾を結ばれるその初出『火の鳥』に所属しておられた母である歌人 山川柳子さんによる日記の最後に記された「生れて初めて化粧したる顔、花嫁の如し。」は涙を禁じ得ない。
この日記の1932(昭和7)年5月18日。根自子さんの處女放送(NHK)⬇︎を聞かれた日のことが記されています。
https://muuseo.com/nine_o_nine/items/65?theme_id=39653
評論家や大人の感想は今でも目にする事が出来ますが、一般同世代のインプレは貴重な証言と言えましょう。
しかしその同世代の天才少女の演奏に触れての余りに素っ気ない記述、母さまの批評は額面通り?それとも?・・・この機微も含め、全編まさに「琥珀に封ぜられし昆虫の如く、準古典の位置に列せられて、永久に愛読者を絶たないであろう。」(木村毅)そんな一冊であります。
#諏訪根自子 #nejikosuwa #山川彌千枝 #薔薇は生きている
ktr
2023/08/30 - 編集済み私もこれを創英社の版で読んでほんとに感動しました。
内容も文体もまったく古びていないのが驚異であります。
お母さまの「色はないけど熱はある」というのは考えさせられる評言ですね。
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nine_o_nine
2023/08/31遅ればせながら私も今回享受いたしました。おっしゃる通りですね^^!
100年も近く前なのに全てが鮮明で愛おしく、しかし承前同時に儚く・・・
きっと青白い焔…だったのかなぁ?と馳せてしまいます。当時の録音も文も歌も絵も類稀なる才の萌芽期の記録・記憶に惹かれます。
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kyusha_fan
2023/08/31 - 編集済み私の母親は昔、諏訪根自子さんのニュースは覚えてると言ってます。
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nine_o_nine
2023/08/31「ラジオから流れる音にうっとり聴き入った」・・・と母、そして姉である叔母は懐かしむように当時のこと話してくれました。同時に「あなた(私)から諏訪根自子の名前が聞けるとはおもわなかったわよ」と笑いつつ^^
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