セイコーマチック クロノメーター ウィークデーター 39石 ステンレスケース 6246-9000

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セイコーマチックウィークデーター39石(6216A)をベースに一部専用パーツを使用し、クロノメーター優秀級相当の調整/検査を実施し、セイコーマチックの 、いや、セイコー自動巻腕時計の最上位機種に位置付けた製品。
当ミュージアム・オーナーの一番好きな機種である。

1960年5月に発売された日付なし非防水モデルから始まり、1961年:防水モデル、1962年:日付付きセルフデーター、1963年:日付/曜日付きウィークデーターと進化を遂げて行ったセイコーマチック。

その最終進化型、究極の最高級自動巻腕時計として、精度をメーカーが保証する「クロノメーター検定テスト合格証」を添付し1966年3月に発売された。
裏蓋中央にはクロノメーターの象徴である獅子の紋章(メダリオン)が誇らしげに鎮座し、文字盤、製品タグ、箱に至るまで「Chronometer」の表記がされている。

が、しかし.....この「Chronometer」表記が、スイス、フランス、ドイツによって組織された「国際クロノメーター管理委員会(CICC)」から注意を受けてしまう。
.....”自社検定した製品に「Chronometer」表記を行ってはならない。”
(1968年に日本クロノメーター検定協会が発足するまで、日本国内に時計歩度公認検定局は存在しなかった。)

そこで、セイコーは当時の最高級腕時計クロノメーター製品群をグランドセイコーブランドの確立として新たに「グランドセイコー検定基準」を設け、方針転換を図る。
・グランドセイコークロノメーター → GRAND SEIKO GS
・44キングセイコークロノメーター → 44グランドセイコー
・セイコーマチッククロノメーター → 62グランドセイコー
・ライナークロノメーター → 廃番

セイコーマチッククロノメーターは1966年末頃、62グランドセイコーとして想定外の進化を遂げることとなり、発売から1年にも満たない「美人薄命」の末路を迎える。
セイコー社資料:1966年版セイコーウォッチカタログNo2(1966年12月)では、製品名の表記は「グランドセイコー」、写真の文字板表記は「マチッククロノメーター」。1967年版セイコーウォッチカタログNo1では製品名、文字板表記共に「グランドセイコー」となっている。

62GSへの進化の過程で文字盤はCHRONOMETERからGSへ、裏蓋は獅子の紋章からGSメダリオンへ変更されたが、既にクロノメーター6245-9000、6246-9000として製造されていた獅子メダリオンケース外装部品は62グランドセイコーへの移行段階で使用されたため、62GS初期製品は裏蓋が獅子の紋章である。

(裏蓋獅子→GS移行過渡期の混在は、グランドセイコセルフデーター、44グランドセイコーゴールドキャップ側でも同様に見られる)

当ミュージアム・オーナーがこのセイコーマチッククロノメーター6246-9000を一番好きな機種である理由は、自動巻グランドセイコーの登場は時代の趨勢ではあったが、外圧により登場した62グランドセイコーではない当時のセイコーが目指した究極の最高級自動巻の正常進化型CHRONOMETER機であるところ。

もちろん、この6246-9000の完成された文字盤/ケースの外装デザイン、搭載キャリバー6246Aの外見的な魅力は言うまでもないが、上記のレガシー的位置付けによるものが大きい。

1966年当時の価格:6246(ウィークデーター付)39石 SS 防水側 革バンド付 38,000円

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