江戸切子盃
高さ2.6センチ、口径3.8センチ。型吹きした後、八角形に研磨した江戸切子の小さな盃。江戸期の切子では、色ガラスを被せた薩摩切子と、あくまで透明硝子に切子を施す江戸切子がある。江戸期の切子作品をこれら二種に大別しているが、色被せの有る無し程度の分類であり、まだまだ研究途上の分野である。
江戸切子は機械を用いず職人が手で研磨しているために平面性が高く、切子の線がシャープである。ガラスの透明度を上げるため多量の鉛を混合した高鉛ガラスで、爪弾くと美しい金属音を発し手取りも重い。表面には経年による虹彩が見られる。
小さき故に実用品ではなく雛道具の可能性も考えられる。