前田家の御家流、藩主の共通点 (前立が鍬形で、下部に紋様)
以前から気がついていたが、本日、「加賀の甲冑」という書物を金沢市立玉川図書館で閲覧してきた。
✴️前田家の加賀具足は、極めて、特徴があり、
大名家の甲冑の中でも、容易に、区別できる様。
✴️前田家伝来の雛具足は、大名家に見られる「復古調甲冑」という様式の様。
✴️加賀藩主前田家伝来の雛具足が作られた時代前後の
加賀藩主(14代)、大聖寺藩主(13代)、富山藩主(9代)の
兜の前立ては、「鍬形(クワガタ)」であり、⭕で囲んだ様に、
下部には、唐草などの紋様が刻まれているのが共通点である。
加賀八家(加賀藩主重臣)の兜には、鍬形は、使用されていない。
鍬形(クワガタ)は、藩主の威厳の象徴だったのだろう、きっと。
✴️全体的なデザインも似ていて、奈良の甲冑師集団「春田派」の仕事と見られる。金沢城の御細工所の仕事と推測される。
加賀藩では、主に細川家で活躍した春田派と
徳川将軍家で活躍した岩井派の二大流派が招かれている。
デザインを統一する、所謂、
大名家の「御家流(おいえりゅう)」と言われる特徴だろう。
家中が、共通の甲冑を用いて、
「敵」と「見方」を判別するという流儀。
全ての大名でなくて、比較的、大きな藩に見られる特徴。
~学研「決定版 大名家の甲冑」より~