江戸時代の富の象徴~京鹿の子絞り~

初版 2019/08/14 22:55

コレクションルームの薩摩切子の櫛、笄、簪の三点セット。

上の布は、切子の三点セットを包んでいた古裂。石川県の博物館や古裂を扱っている専門業者の意見は、一致していて、「辻が花や疋田絞りの流れを汲む江戸時代の鹿の子絞り」であると。素材が劣化している為に、「ちりめん」か「絹」かで意見が分かれている。

京都の京鹿の子絞りは、江戸時代に、贅沢を禁止する奢侈(しゃし)禁止令の対象となったほどの当時の高級品だったそう。


将軍家や大名家、高級官僚、裕福な豪商などしか持つことのできない「富の象徴」だった様です。今では、見かけは、鄙びたボロ裂ですが。


京都にある絞り染めの専門の方に聞いたところ、「素晴らしいものをお持ちですね」と言う返答で、次回、京都に行く時に、詳しく調べて頂くことになりました。


西郷隆盛は、天璋院篤姫の嫁入り道具の着物類は、京都で特別注文したということです。夢が膨らみます。


薩摩切子を鹿の子絞りの袋で包んでいるとは、流石に、加賀藩122万石。明治時代まで、江戸幕府に次いで、2番目にお金持ちだった土地です。


他の土地ならば、大名家のものとも推測されますが、加賀藩には、他藩の大名級の家臣が11家あったと言われ、北前船の豪商や薬舗の豪商がたくさんあったので、前田家伝来と断定できる当時の記録を、まだ、見つけていないのが、歯がゆいところですが、ちまちまと、気ままに、調査を続けます。



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