江戸時代の薩摩切子
初版 2019/06/15 15:20
改訂 2020/05/26 18:30
近所のデパートに、毎年、薩摩切子の実演販売が来ます。今年も、来ましたので、思い切って、コレクションルームに展示した薩摩切子の櫛、笄、簪のセットを見て頂きました。職人さんの意見は、『薩摩切子の特徴が強くみられる。紋様、硝子の質感など。江戸切子には、少ない文様なので、薩摩切子でしょう。』とのこと。詳細は、以前のモノ日記やコレクションルームに記録しました。学者、老舗古美術商、博物館の学芸員も、ほぼ、同じ意見でしたので、薩摩切子で間違いないと思います。
上が、個人蔵の薩摩切子の櫛、簪、笄のセットで、調べた範囲では、個人藏を含めて、3つしか現存していません。2つは、神戸市と愛媛県松山市の博物館に所蔵されています。古美術商の話では、最上級の特注品ということです。
島津家のお姫様の品か、前田家から島津家への特別注文品かでしょう。
個人蔵の切子櫛、簪、笄のセットは、加賀藩前田家の御用達の薬舗である豪商が所持していました。この豪商は、加賀藩主の命令で、富山藩に薬(売薬)を伝授した人物で、幕末は、薩摩藩のガラス(薬瓶)と薬が、北前船を経由して、結び付いていました。この豪商は、好き物として有名で、松平不昧公の遺品なども所持していた記録があるため、前田家だけでなく、徳川家とも、関係していたのかもしれません。
いずれにしろ、これで、稀少価値が付きました。
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Makoto Panteleimon
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