『キャプテン・フューチャー太陽系七つの秘宝 / E・ハミルトン』《ハヤカワSFシリーズ》

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早川書房より、1967年に発行された『キャプテン・フューチャー/ 太陽系七つの秘宝』です。エドモンド・ハミルトン/著、野田昌宏/訳です。エドモンド・ハミルトン[1904-1977]の名を広く知らしめたスペースオペラ『キャプテンフューチャー』シリーズの第一弾です。
“火星に難事あれば火星へ、金星に怪事件あれば金星に、はては遠く海王星、冥王星へと愛機コメット号を駆って、行くところ敵なしのキャプテン・フューチャー! 彼に仕えるはプラスチック・アンドロイドのオットー、鋼鉄製ロボットのグラッグ、<生きている脳>のサイモン・ライト。これこそ太陽系にその名を馳せるフューチャー・メンの面々である。
(中略)
太陽系の正義のために敢然、空くと対決するフューチャー・メン! 本格スペースオペラの決定版キャプテン・フューチャー・シリーズの第一弾!”
既に紹介した短編集「フェッセンデンの宇宙」「虚空の遺産」などの斬新なアイデアの作品や、このキャプテン・フューチャー・シリーズなどのE・ハミルトンの著作の幅が広いのも当然、1904年生で21歳の時に作家デビューした米国SF作家の最長老的な存在だったからですね。
野田昌宏氏の伝法な訳も快調で、ハヤカワ文庫SFに場を移して以降は、水野良太郎氏のイメージ豊かな挿絵を得て、シリーズはさらに人気を得ています。
NHKアニメ「キャプテン・フューチャー」のED曲「ポプラ通りの家」は、アニメ番組全体から見てもベストに入る名曲だと思っています。
#宇宙SF #エドモンド・ハミルトン #野田昌宏 #ハヤカワSFシリーズ
https://youtu.be/szMhTx1ntLY
https://muuseo.com/jason1208/items/793
https://muuseo.com/jason1208/items/735

『フェッセンデンの宇宙 / E・ハミルトン』《ハヤカワSFシリーズ》
早川書房より、1966年に発行された『フェッセンデンの宇宙』です。エドモンド・ハミルトン/著です。どちらかというとスペースオペラ『キャプテンフューチャー』シリーズで知られる、エドモンド・ハミルトンの短編集です。この項では専ら表題作を扱います。 “天文学者だった私は、ある日数年ぶりに、友人の天文学者フェッセンデンに呼び出される。フェッセンデンは、実験室に人工の宇宙を創造したというのだ。宇宙をただ観測するのに飽き足らなくなった彼は、自分で自由に操作できる宇宙を作り上げようと考え、二枚の巨大な金属板の間に重力を遮断した空間を発生させ、そこに縮小した原子のガスを満たしたのだ。次第に凝縮したガスが無数の天体を生み、小さな宇宙が誕生した。 半信半疑だった私だったが、実際に“フェッセンデンの宇宙”を見せられると信じざるを得なかった。ミニチュアの宇宙を公転するミニチュアの恒星とその周りをめぐるミニチュアの惑星。無数の惑星の上には様々な知的生命が芽生えていた。その豊潤さ、美しさに私は魅了された。 しかしそうした生命を単なる実験材料だと考えるフェッセンデンは、故意に惑星規模の災害を引き起こし、興味本位に大殺戮を繰り返す。そして、それをなす術も無く見守っていた私は……。” 神ではない、知性を持つ存在によって創造された人工的な「宇宙」というアイデアで、多くのSFに影響を与えた短編作品です。藤子・F・不二雄「創世日記」、光瀬龍「百億の昼と千億の夜」などが思い浮かびますし、現実世界の雛型がどこかに存在しているみたいな話はホラー話にもあります。 最近流行りの、異世界ものやRPG世界への転生話なども知らずに影響を受けている気がします。 #宇宙SF #エドモンド・ハミルトン #小尾芙佐 #ハヤカワSFシリーズ
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『雑誌スターログ日本版 No.61』《ツルモトルーム》
ツルモトルーム社より、1983年11月に発行された雑誌『スターログ日本版 第61号』です。定価680円。月刊化して、多少割高な印象を持ったものです。A4版カラー/モノクロ94頁。 月刊化して、洋画SFの記事だけではなく、広くSFに関する記事を掲載するようになった日本版スターログは、この号では「野田昌宏のSF世界大解剖」「日本特撮秘史 巨大スケール感を生む『海底軍艦』の円谷特撮研究」「シド・ミードの国際スポーツフェアポスター」が目を引きます。 テレビ演出者・制作会社幹部・作家・翻訳者・SFアートコレクター・「ガチャピン・ムック」の生みの親と多彩な顔を持つ野田昌宏氏(1933-2008)の創作世界に迫る特集が面白かったです。 野田氏は「銀河乞食軍団」という創作SFシリーズの著者でもありましたが、SF作家最長老だった今日泊亜蘭氏(きょうどまりあらん、1910-2008)と師弟関係に近い交友があり(交友の一端を小説風に執筆したのが、「レモン月夜の宇宙船」です)、今日泊亜蘭氏の「光の塔」「最終戦争」「海王星市から来た男」などの大江戸捕物帳風な伝法な口調の魅力を、現代のSFに移植しようとしたのが、「銀河乞食軍団」シリーズだと考えています。 奇しくも、今日泊亜蘭氏の逝去から一月も置かずに、野田氏も亡くなられたのは残念なことでした。 #スターログ日本版 #雑誌 #SF映画 #SFTV #SF小説 #ツルモトルーム https://muuseo.com/jason1208/items/731
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