『リュウの道 / 石ノ森章太郎』《竹書房文庫他》

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『リュウの道』石ノ森章太郎 竹書房文庫。全五巻。
第1巻347頁、解説:並木伸一郎。ISBN4-88475-993-1。第2巻365頁、解説:秋山眞人。ISBN4-88475-994-X。第3巻393頁、解説:つのだじろう。ISBN4-88475-995-8。第4巻350頁、解説:秋山豊寛。ISBN4-88475-996-6。第5巻343頁、解説:五島勉。ISBN4-88475-997-4。
“恒星間宇宙船フジ1号に密航した、少年リュウが目覚めたのは、40年間ものコールドスリープの後であった。帰り着いたはずの地球の姿は一変していた。消え失せた文明、激変した環境。見たことも無い脅威の新生物。人間と言うには退化した原住民。あまりにも弱い我が身を嘆きながらも、リュウは知り合い助け合った(ロボット・ミュータント・類人猿・サイボーグを含む)人々と行動を共にし、人類の未来を探求し旅を続ける。”
アフター・ハルマゲドンの地球を描き、その世界で人類の未来を模索する人々を、主人公リュウに仮託して描く作品です。『原始少年リュウ』『番長惑星』と合わせて、石ノ森章太郎先生の“リュウ三部作”とも呼ばれています。
リュウ一行が出会う激変した世界の生物では、植物からの栄養補給を受け、代わりに老廃物を提供する、まるで冬虫夏草のような寄生生物と成り果てている人間?が描かれています。現代の“引きこもり”や依存症のメタファーのようにも解釈できそうです。
老ミュータントが支配していた国を受け継ぎ、「指導者」の立場となりながらも、「神」と呼ぶべき存在と対話するまでの、精神的な進化を続けるリュウを描く、第4・5巻が面白いと思います。
#石ノ森章太郎 #リュウの道 #SF漫画

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