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『地球移動作戦 / 山本弘』《ハヤカワSFシリーズJコレクション》
『地球移動作戦』山本弘/著。早川書店ハヤカワSFシリーズJコレクション刊。2009年初刷。ISBN978-4-15-209068-3。カバーアート/鷲尾直宏。
先頃亡くなられたSF作家・山本弘[1956-2024]の長編ハードSF。トンデモ本を扱う「と学会」の会長など、いろいろ活躍されていた山本氏ですが、私は熱心な読者というわけではありませんが、それなり作品は読んでいました。
“西暦2083年、超光速粒子(タキオン)推進を実現したピアノ・ドライブの普及により、人類は太陽系のすべての惑星に到達していた。観測プロジェクト<クリーンアップ計画>により発見された謎の新天体2075Aの調査のため、深宇宙探査船DSS-01<ファルケ>が派遣される。船長のブレイドをはじめとする搭乗員たちによる観測によって、この星は24年後に地球に迫り壊滅的な被害をもたらすことが分かった。迫る厄災の報を受けた地球では、様々な対策案が提唱される。ブレイドの姪である12歳の天才少女・風祭魅波はACOM(人工意識コンパニオン)のマイカとともに、天体物理学者である父・良輔が発案・提唱した驚くべき計画の実現を決意するのだった……。著者入魂の本格長編宇宙SF。"
この作品は、題名で分かる方もいると思いますが、東宝映画『妖星ゴラス』(1962年)へのオマージュとして執筆され、映画スタッフの丘美丈太郎・木村武・田中友好・円谷英二・本多猪四郎各氏へ献辞が捧げられています。関連して、小松左京氏の『さよならジュピター』『虚無回廊』に対するオマージュも入っていると思います。
作中で《地球移動作戦》のクライマックスで、歌が関わってくるところなど、盛り上げ方がなかなか良かったです。ハヤカワ文庫JA版も発売されています。
#ハードSF #SF #山本弘 #早川書房 #妖星ゴラス
オマハルゲ
2024/07/30 - 編集済み山本さん、亡くなられたんですか。知りませんでした。
地球移動というと「妖星ゴラス」ですよね。
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Jason1208
2024/07/31コメント有難うございます。
山本弘さん、2024年3月29日に亡くなられました。
政治的立場で嫌いな本を「トンデモ本」に決めつける姿勢は、問題がありましたが、それなり読むに値する作品はある、という位置付けの作家さんでしたね。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/articles/20240404-OYT1T50137/
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