大百怪 第四巻 No.3 髪切り

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《物語》
宵の口の町。ハラリ──。なにか糸くずのようなものが、家路を急ぐ娘の顔にあたった。その瞬間、ふっと頭が軽くなった。娘が立ち止まると、結っていた日本髪がバラバラと顔に被さる。悲鳴をあげる娘──。何者かに頭髪を切られていたのだ。道にはすっぱりと切られた髪の毛の束が落ちているだけだった。

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#水木しげる
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