大百怪 第六巻 No.9 つじがみ

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《物語》
朝──。畑に向かおうとする男が家々の並ぶ道を通る。ドンッ──。背後で、そんな音がした。壁に車が激突したような音。様子を見に戻ってみる。見れば、T字路の突き当たりの壁には、「石敢当」と彫られた石がはめ込まれている。「ははぁ、辻神がぶつかったんだな・・・」壁は心なしか窪んでいるようだった。

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