角川書店 角川文庫 金田一耕助の冒険1

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昭和五十四年六月十日 初版発行
昭和五十六年八月三十日 八版発行
発行所 株式会社角川書店

昭和32年(1957年)から昭和33年(1958年)にかけて雑誌「週刊東京」に断続的にされた横溝正史の連作短編小説「~の中の女」シリーズ。
のちに長編化された作品が3編あったり(「壷の中の女」→「壺中美人」、「渦の中の女」→「白と黒」、「扉の中の女」→「扉の影の女」)、異色の金田一映画として知られる大林宣彦監督の『金田一耕助の冒険』の原作である「瞳の中の女」があったりと横溝ファンにはお馴染みの短編小説シリーズですが、そんな「~の中の女」シリーズから前述の長編化された3作品を除いた10作(「霧の中の女」「洞の中の女」「鏡の中の女」「傘の中の女」「鞄の中の女」「泥の中の女」「柩の中の女」「瞳の中の女」「檻の中の女」「赤の中の女」)に、昭和31年(1956年)に雑誌「読切小説集」に掲載された「黒衣の女」を改題した「夢の中の女」を加えた、全11話から成る短編集が「金田一耕助の冒険」です。昭和50年(1975年)に春陽堂書店の「横溝正史長編全集20 金田一耕助の冒険」が先行する形で刊行され(但し、この時は「赤の中の女」は収められなかった)、角川文庫には昭和51年(1976年)に収録されました。
画像は昭和56年(1981年)に角川書店より刊行された「角川文庫 金田一耕助の冒険1」です。こちらは昭和54年(1979年)、前述の角川映画『金田一耕助の冒険』公開に際し、2冊に分冊された改版バージョンで、この「1」には「霧の中の女」「洞の中の女」「鏡の中の女」「傘の中の女」「瞳の中の女」「檻の中の女」の6編が収められています。装画を手掛けているのは、映画『金田一耕助の冒険』のアニメーションパートを担当した和田誠氏。表紙には映画で古谷一行が演じた金田一耕助が、裏表紙には田中邦衛が演じた等々力警部が味のあるタッチで描かれています。

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