講談社 華麗なる円谷特撮の世界 ミラーマン☆ジャンボーグA 米谷佳晃デザインワークス1971~1973

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2014年4月14日 第1刷発行
発行所 株式会社 講談社

平成26年(2014年)に講談社より刊行された「華麗なる円谷特撮の世界 ミラーマン☆ジャンボーグA 米谷佳晃デザインワークス1971~1973」です。
『帰ってきたウルトラマン』第3クールから本格的に怪獣デザインを手掛け、同じ円谷プロの『ミラーマン』や『ジャンボーグA』ではメインの怪獣デザイナーとして活躍した米谷佳晃氏が自身のデザインや、当時の特撮ヒーロー番組の制作現場について語った本です。
判型こそA5判ですが、貴重なデザイン画も多数収録されていて、デザイン画集としても楽しめるのが良いですね。しかも、ご本人による詳細な解説付き、ときています。米谷氏の仕事で思い出されるのは何といってもアイアン、キティファイヤー、ゴールドサタンといった、『ミラーマン』初期に登場する独創的なインベーダー怪獣たちですが、第3話と4話だけ、デザイナーが異なるのが昔から疑問でした。その裏事情がこの本に書かれているのですが、それによると、それまでにないタイプの斬新な怪獣だったアイアン、キティファイヤーを生み出したことで米谷氏の創作欲はかなり消耗してしまい、続く3話・4話の怪獣デザインがなかなか出来ない状態に陥ってしまったとか。そこで3話のダークロンは小林晋一郎氏が『帰ってきたウルトラマン』用に考案した「ガロア星人」を転用し、4話のマルチは池谷氏のデザイン提供を受けて窮地を凌いだそうです。米谷氏は本の中で、もしかしたらマルチは『シルバー仮面』の宇宙人用にデザインされたものを回してくれたのかも知れない...と述懐されていましたが、もしそうだとしたら“特撮ちょっとイイ話”ですね。
他にもゴールドサタンのデザインの基礎となったのがハリウッドの“アカデミー賞のオスカー像”であったり、ノアは女性が変身する怪獣であることから頭部やお歯黒調の口元に“花魁”の意匠が入っているとか、個人的にはいろいろと腑に落ちる話の連続でした。

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