朝日ソノラマ 宇宙船文庫 ノンマルトの使者 金城哲夫シナリオ傑作集

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1984年9月29日 初版発行
発行所 株式会社 朝日ソノラマ

昭和59年(1984年)に朝日ソノラマの宇宙船文庫から刊行された、「ノンマルトの使者 金城哲夫シナリオ傑作集」です。
初期の円谷作品を文芸面から支えた伝説の脚本家、金城哲夫氏のシナリオ集で、氏が関わった『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』といった第1期ウルトラシリーズ、そして『怪奇大作戦』や『マイティジャック』などの作品の中から、14篇が収録されています。
収録されているエピソードの中では、やはり表題作の「ノンマルトの使者」が好きですね。金城氏の作風はどちらかというと娯楽的で王道というイメージが強いのですが、勧善懲悪的なヒーロー物の概念を打ち破る問題作であるこのエピソードは、沖縄出身の金城氏にしか書けなかったものだと思います。
また、巻末の解説で竹内博氏が金城氏との思い出なども書かれているのですが、まだ中学生当時の竹内氏が金城氏と初対面した時、当時放映中だった『マイティジャック』の感想を金城氏に聞かれ、番組を物足りなく思っていた竹内氏が率直に苦言を呈したところ、金城氏は笑って「参ったなあ」と答えたという話は、当の竹内氏も鬼籍に入られた今となっては何とも感慨深いものがあります。

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