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朝日ソノラマ 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス シリーズ潤二の絶叫コミックス トンネル奇譚
平成9年11月20日 第1刷発行 発行所・・・・・・株式会社朝日ソノラマ 平成9年(1997年)に朝日ソノラマより刊行された「眠れぬ夜の奇妙な話コミックス シリーズ潤二の絶叫コミックス トンネル奇譚」です。 少女向け漫画雑誌「ネムキ」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「シリーズ潤二の絶叫コミックス」を収録した作品集です。収録作品は「長い夢」「トンネル奇譚」「銅像」「浮遊物」「白砂村血譚」の5編。 夢の中での時間が日毎に長くなってゆく男の恐怖を描いた「長い夢」、幽霊譚の定番“トンネルの怪談”を伊藤潤二流で描いた表題作「トンネル奇譚」、若い頃の美しい自分を銅像にしたいと願う醜い中年女性の狂気と悲哀を描いた「銅像」、人の本音を喋ってしまう不思議な黒い毛玉が巻き起こす騒動を描いた「浮遊物」、村人全員が貧血で青白い顔をしている閉鎖的な寒村の怪異を描いた「白砂村血譚」... 伊藤潤二らしいおぞましい描写は控えめながらも、ストーリーに捻りがあって、味のある佳品が並んだ作品集です。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 怪奇カンヅメ
平成8年11月25日 第1刷発行 発行所・・・・・・株式会社朝日ソノラマ 平成8年(1996年)に朝日ソノラマより刊行された「眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 怪奇カンヅメ」です。 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」やその増刊号として発行されていた「眠れぬ夜の奇妙な話」「ネムキ」に読み切りで掲載された伊藤潤二の短編を収録した作品集です。収録作品は「仲間の家」「なめくじ少女」「隣の窓」「漂着物」「ご先祖様」「異常接近~ニアミス~」「怪奇ひきずり兄弟◎次女の恋人」「怪奇ひきずり兄弟◎降霊会」の8編。 学生運動の内ゲバをモチーフにした異色の幽霊譚「仲間の家」、舌がなめくじになってしまった少女の悲劇を描いた怪異譚「なめくじ少女」、双一シリーズ的なホラーコメディ路線の「怪奇ひきずり兄弟◎次女の恋人」「怪奇ひきずり兄弟◎降霊会」など、バラエティに富んだ怪奇譚がたっぷりと詰まった、まさに“怪奇カンヅメ”な本巻。個人的には、一度観たらそのおぞましいビジュアルが頭から離れなくなる「ご先祖様」がお勧めですね。奇想というのは伊藤潤二作品を形容するのに最も相応しい言葉ですが、この作品の発想の凄さはもはや単に奇想の一言では済まされない、何処か彼方へ突き抜けたものだと思います。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 シリーズ富江の恐怖 画家
平成8年2月20日第1刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成8年(1996年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 シリーズ富江の恐怖 画家」です。 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「シリーズ富江の恐怖」と「ネムキ」に掲載された番外編を収録した作品集です。収録作品は「第1話 画家」「第2話 暗殺」「第3話 毛髪」「第4話 養女」「番外編 滝壺」の5編。 美しい長い黒髪と左目下の泣きぼくろが特徴的な美少女、富江。その性格は傲岸不遜で最低、最悪ながらも彼女と出会った男たちはことごとく彼女に魅せられ、人生を狂わされ、そして最後には破滅してしまうという、まさに魔性の女。しかも富江は人智を超えた存在であり、何度殺されてもその度に甦る“人外”でもあります。その殺されっぷりと、おぞましい再生シーンは富江シリーズの大きな見どころとなっています。 本巻は、そんな“伊藤潤二ワールド”の最恐ヒロイン、富江のエピソードだけを収録した必見の一冊。個人的には、分裂・再生した富江同士が男を手先に使って、お互いを殺させようとする「第2話 暗殺」が、アイデアといい、おぞましさといい、非常に良かったですね。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 シリーズ恐怖の双一 棺桶
平成7年9月20日第1刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成7年(1995年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 シリーズ恐怖の双一 棺桶」です。 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「シリーズ恐怖の双一」を収録した作品集です。収録作品は「第1話 双一の勝手な呪い」「第2話 四重壁の部屋」「第3話 棺桶」「第4話 噂」の4編。 いつもガチュガチュと釘を咥えている、陰気で、非常に性格の悪い小学生、双一。当然、周囲とは馴染まず、家でも学校でも浮き上がっている存在ですが、そんな彼の特技は“呪い”。気に入らない相手に対し、「ホラーな目にあわせてやる!」と様々な“呪い”をかけるのですが、大抵は「人を呪わば穴二つ」の例え通り、自滅して終わるというのがシリーズのお約束となっています。 本巻は、そんな不気味だけどどこか憎めない“伊藤潤二ワールド”の人気者、双一のエピソードだけを収録した必見の一冊。特に「第4話 噂」ではなんと「ファッションモデル」の淵さんが再登場、双一と“悪夢の共演”を果たしています。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 サイレンの村
平成7年2月20日第1刷発行 平成7年3月10日第2刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成7年(1995年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 サイレンの村」です。(画像は第2刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」の増刊号として発行されていた「眠れぬ夜の奇妙な話」に読み切りで掲載された伊藤潤二の短編を収録した作品集です。収録作品は「サイレンの村」「煙草会」「黴」「記憶」「道のない街」の5編。 PS2の人気ホラーゲーム『SIREN』の元ネタの一つともいわれている表題作「サイレンの村」、「赤い糸」や「寒気」といったゾワゾワ系ホラーの系譜にあたる「黴」など充実したラインナップの本巻ですが、個人的にお勧めしたいのが「道のない街」です。執拗に自室を覗いてくる家族の異常な振舞いに疲れ果てた主人公の少女が家出をして、信頼する叔母の元を訪ねて行きますが、叔母の住む街は違法建築が増え過ぎて、道がなくなってしまった街でした。その結果、道がなくなってしまっただけでなく、家の中を他人が勝手に往来するようになったことで住人のプライバシーもなくなってしまった街。そんな街で主人公を襲う、悪夢のような出来事の数々を描いた不条理ホラーの大傑作ですが、そのシュールな内容はもはやホラーの枠を飛び越え、哲学的な深さすら感じます。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 潤二の恐怖夜話③ 墓標の町
平成6年11月20日第1刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成6年(1994年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 潤二の恐怖夜話③ 墓標の町」です。 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「潤二の恐怖夜話」から2編、そして、「ハロウィン」と「眠れぬ夜の奇妙な話」に掲載された2編を収録した作品集です。収録作品は「潤二の恐怖夜話〈第6夜〉肉色の怪」「潤二の恐怖夜話〈第7夜〉墓標の町」「許し」「アイスクリームバス」の4編。 道路の真ん中や家の中、場所を問わず至る所に墓が立っている奇妙な町。そこは死んだ人間がその場所で石柱化し、やがて墓標に変化するという奇妙な風土の町だった... 伊藤潤二ならではの奇想が冴えに冴え渡っている表題作「墓標の町」。死んだ人間がその場所で墓標となるという奇想もさることながら、ストーリー展開のほうも構成が上手くて、主人公兄妹が犯したひき逃げ事件(しかも被害者は妹の親友の妹)のサスペンスも加わって、グイグイと引き込まれます。主人公兄を襲ったおぞましい因果応報、そして、悲劇的なラスト。湿り気をたっぷりと含んでいる日本の怪談のような味わいがある作品です。あと、「肉色の怪」も好きですね。ホラーの定番モチーフの一つである“人体模型”から発想された作品だと思うんですが、“美”への妄執に取り憑かれた女の狂気と組み合わせて如何にも作者らしい世界観になっているのはさすが。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 潤二の恐怖夜話② 首吊り気球
平成6年9月20日第1刷発行 平成7年7月10日第2刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成6年(1994年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 潤二の恐怖夜話② 首吊り気球」です。(画像は第2刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「潤二の恐怖夜話」から3編を収録した作品集です。収録作品は「潤二の恐怖夜話〈第3夜〉血玉樹」「潤二の恐怖夜話〈第4話〉首吊り気球」「潤二の恐怖夜話〈第5話〉あやつり屋敷」の3編。 人間の顔をした気球が、同じ顔を持つ人間の首を吊ろうと襲ってくる、何ともシュールで不条理な怪異を描いた表題作「首吊り気球」。伊藤潤二の名を一躍世に知らしめた大傑作ですね。常軌を逸した奇想と、その奇想を悪夢的なリアルさで具象化した緻密な画力。そして、作品全体を包み込んでいる、おぞましくもどこかユーモラスなトーン。どれもが最高のバランスでまとまっていて、この「首吊り気球」で以って“伊藤潤二ワールド”は完成したと思っています。 伊藤潤二的解釈の吸血鬼譚「血玉樹」、人間とあやつり人形の関係性を“奇妙な味”で描いた「あやつり屋敷」と、他の2編も読み応え充分です。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 潤二の恐怖夜話① うめく排水管
平成6年3月20日第1刷発行 平成7年3月10日第3刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成6年(1994年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 潤二の恐怖夜話① うめく排水管」です。(画像は第3刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「潤二の恐怖夜話」から2編、双一シリーズから1編、富江シリーズから1編を収録した作品集です。収録作品は「潤二の恐怖夜話〈第1夜〉超自然転校生」「潤二の恐怖夜話〈第2夜〉うめく排水管」「双一の誕生日」「富江・復讐」の4編。 久しぶりに富江シリーズが収録された巻ですが、注目すべきはやはり表題作「うめく排水管」でしょうか。美人姉妹の姉のほうにストーカーする世にも不潔で醜悪な男が、異常なまでに潔癖症の姉妹の母親から酷い仕打ちを受けて姿を消し、それ以降、母娘の家の排水管から奇妙な呻き声や男の体臭に似た悪臭がするようになる...というストーリーなんですが、ストーカーが対象の家の排水管に潜んでしまうという奇想が江戸川乱歩の『人間椅子』方向に突き抜けつつも、見事“伊藤潤二ワールド”に着地しているのが素晴らしい。怪作にして大傑作です。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション⑤ 布製教師
平成5年8月20日第1刷発行 平成6年11月5日第3刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成5年(1993年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション⑤ 布製教師」です。(画像は第3刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「JUNJIの恐怖コレクション」の第25話~第29話を収録した作品集です。収録作品は「落下」「相部屋」「旅館」「布製教師」「押切異談・壁」の5編。 前巻「ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション④ 路地裏」収録の「双一の家庭訪問」で、双一が担任教師・柳田と入れ替えてしまった布製人形の教師のその後を描いた表題作「布製教師」。双一が自宅の屋根裏で密かに作製し、本物の柳田の魂を吸い取ることによって自我を持って動くようになった布製教師が巻き起こす奇怪な騒動をユーモラスなタッチで描いているのですが、まさに伊藤潤二的スラップスティックホラーといった趣がある作品です。あと、のちの名作「首吊り気球」に繋がってゆくものを感じさせる「落下」、異形の者たちが地の底からわらわらと現れる「旅館」もお勧めです。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション④ 路地裏
平成4年12月20日第1刷発行 平成5年4月5日第2刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成4年(1992年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション④ 路地裏」です。(画像は第2刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「JUNJIの恐怖コレクション」の第19話~第24話を収録した作品集です。収録作品は「遺書」「路地裏」「押切異談」「ファッションモデル」「双一の楽しい日記」「双一の家庭訪問」の6編。 押切トオルシリーズの「押切異談」、双一シリーズの「双一の楽しい日記」「双一の家庭訪問」に加え、登場回数こそ少ないものの伊藤潤二ファンには絶大な人気を誇るキャラクター、淵さんが登場する「ファッションモデル」と、“伊藤潤二ワールド”の人気者たちの作品を収録した本巻。しかし、伊藤潤二作品に他に類を見ない奇想と、いいようのない“ざわざわ感”を求めてしまう私としては、下町の路地裏に秘められた狂気と怪異を描いた表題作「路地裏」を推したいところです。まさに因果応報としかいいようがない、救いのないラストシーンが堪りません。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション③ 楽しい夏休み
平成4年3月20日第1刷発行 平成7年11月10日第7刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成4年(1992年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 地JUNJIの恐怖コレクション③ 楽しい夏休み」です。(画像は第7刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「JUNJIの恐怖コレクション」の第13話~第18話を収録した作品集です。収録作品は「楽しい夏休み」「薄命」「侵入者」「寒気」「案山子」「楽しい冬休み」の6編。 富江や押切トオルと並ぶ“伊藤潤二ワールド”の人気キャラクターの一人である双一が初登場する本巻ですが、個人的には伊藤潤二ならではの奇想とグロテスク描写が爆発している「寒気」がお勧めです。主人公・裕史の家の隣に住む、生まれつき病弱な少女・梨奈。ある日、彼女の腕に無数の穴が空いているのを見た裕史は昔、祖父が亡くなったとき、その亡骸にも同じような無数の穴が空いていたことを思い出す。裕史は友人の英夫と共に部屋に残されていた祖父の古い日記を読み、身体中に穴が空く奇病の原因が、戦時中のジャワの山中で祖父の戦友が見つけた奇妙な形をした翡翠の彫板の“呪い”であることを知る...という話ですが、タイトルの「寒気」とはこの身体中に空いた穴から入り込んでくるすきま風で感じる“寒気”のことなんですね。例によって伊藤潤二はこの身体中に穴が空いている様を圧倒的な画力で描写しているのですが、トライポフォビア的な感情が刺激されてゾワゾワします... #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション② 首のない彫刻
平成3年10月20日第1刷発行 平成6年11月5日第5刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成3年(1991年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション② 首のない彫刻」です。(画像は第5刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「JUNJIの恐怖コレクション」の第7話~第12話を収録した作品集です。収録作品は「ペンフレンド」「橋」「サーカスが来た」「蜂の巣」「地図の町」「首のない彫刻」の6編。 恐怖と笑いは紙一重、というのは昔からよくいわれていることですが、伊藤潤二作品でもやり過ぎなまでのホラー描写が時として可笑しく感じられてしまうことが多々あります。本巻では表題作「首のない彫刻」がそれでしょうか。意思を持った首のない彫刻が、人間の首を求めて奪い合うさまはグロテスクでありながらもどこか滑稽です。あと、奇習が残る田舎を舞台にした幽霊譚をじとーっとした画柄で描写した「橋」、終わりなき悪夢をずっと見せられているような「地図の町」のじわじわとくる読後感の悪さもなかなかのものです。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション① 脱走兵のいる家
平成3年3月20日第1刷発行 平成7年11月10日第6刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成3年(1991年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 JUNJIの恐怖コレクション① 脱走兵のいる家」です。(画像は第6刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に連載された伊藤潤二の読み切り短編シリーズ「JUNJIの恐怖コレクション」の第1話~第6話を収録した作品集です。収録作品は「いじめっ娘」「脱走兵のいる家」「生霊の沼」「赤い糸」「中古レコード」「贈る人」の6編。 伊藤潤二のストーリーテラーぶりが遺憾なく発揮されている表題作はもちろんですが、個人的には、結ばれる運命だと信じていた彼女に一方的にフラれてしまった主人公の男子高校生の身に起きた怪異を描いた「赤い糸」がお勧めです。フラれた直後に主人公の左手首に赤い糸を縫い付けたような痕が出来て、それがやがて全身に転移していき、最後には...、という話なのですが、まるで千人針のような縫い目が全身を蝕んでいる主人公のビジュアルが物凄い。この頃の伊藤潤二はもう歯科技工士を辞め、専業漫画家になったこともあって画柄もより緻密になっているのですが、それだけに主人公の惨状が想像を絶するグロテスクさで描かれています(文章では上手く伝えられないのがもどかしい...)。“運命の赤い糸”の伝承さえ奇天烈な怪異譚にしてしまう、伊藤潤二ならではの奇想が爆発した作品です。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 屋敷
平成2年10月20日第1刷発行 平成6年8月20日第5刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成2年(1990年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 屋敷」です。(画像は第5刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」に読み切りで掲載された伊藤潤二の短編を収録した作品集です。収録作品は「富江PART5 接吻」「富江PART6 屋敷」「父の心」「耐えがたい迷路」の4編。 前巻「ハロウィン少女コミック館 地下室」収録の「富江PART4 写真」から続く、富江のおぞましい本性を写真に撮ってしまったが為に富江とその取り巻きに付け狙われる女子高生、“泉沢月子3部作”の2作目「富江PART5 接吻」と3作目「富江PART6 屋敷」。 幼少のころから楳図かずおの恐怖漫画を愛読し、「ハロウィン」の楳図かずお賞にデビュー作「富江」を応募した理由が敬愛する楳図かずおに自作を読んでもらいたいが為など、伊藤潤二作品における楳図かずおの影響力の大きさは有名なところですが、この「接吻」での富江と月子の関係性や心理描写、「屋敷」に登場する不気味な屋敷の描写には、まさに伊藤潤二の楳図かずお作品に対する憧憬や敬意が良く表れていると思います。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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朝日ソノラマ ハロウィン少女コミック館 地下室
平成2年2月20日第1刷発行 平成6年5月15日第5刷発行 発行所 株式会社朝日ソノラマ 平成2年(1990年)に朝日ソノラマより刊行された「ハロウィン少女コミック館 地下室」です。(画像は第5刷のものです) 少女向けホラー漫画雑誌「ハロウィン」などに読み切りで掲載された伊藤潤二の短編を収録した作品集です。収録作品は「富江PART3 地下室」「首幻想」「シナリオどおりの恋」「リ・アニメーターの剣」「富江PART4 写真」の5編。 ますます怪物化してゆく富江を描いたシリーズ2作、そして、こちらも“伊藤潤二ワールド”を代表するキャラクターの一人である押切トオルが初登場する「首幻想」。画柄の緻密さが増し、世界観の奇想さもパワーアップ、徐々に“伊藤潤二ワールド”が形作られつつあるな、といった感がある時期の作品が収録された本巻、これでこの頃はまだ専業漫画家ではなく、歯科技工士と二足の草鞋を履いていたというのだから驚きです。 #ホラー #漫画 #伊藤潤二 #ハロウィン #朝日ソノラマ
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