ベアモデル ノーマン スタンダードサイズ 平成物

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前編で怪獣になった犬怪獣ボビーに続き、ゴリ博士に操られた堂本博士の手術を受けた三吉が怪獣と化してしまったのがノーマンです。
極端に肥大した脳味噌そのものの頭部に鋭い牙と爪。すっかりおとなしくなってしまった感のある中盤以降の『スペクトルマン』の怪獣では、別項で紹介したカバゴンと並ぶ、数少ない異形趣味が炸裂したデザインですね。
このノーマンや犬怪獣ボビーが登場する『スペクトルマン』第48・49話の前後編は、ダニエル・キイスの名作、『アルジャーノンに花束を』の非公式翻案であることは有名ですが、ただ純粋に頭が良くなりたいと願う白痴の青年・三吉(名バイプレーヤー、鶴田忍氏の好演!)と、そんな彼の心を弄ぶかのように三吉の怪獣化を図るゴリ博士の悪辣さ、そして怪獣化した三吉を倒すか否かで苦悩するスペクトルマン、と三者が織り成すドラマは、原典の持つテイストを損ねることなく、むしろある面ではオリジナルを凌駕しているのではないか、そんな感想さえ抱かせるほどの名編となりました。

そんな悲劇の天才怪獣ノーマンを2000年にソフビ化したのがベアモデルです。
ベアモデルにとっては、前年の1999年にリリースされた“二刀流怪獣”ギラギンドに続く2体目のスペクトルマン怪獣ですが、往年のマスダヤ・スペクトルマン怪獣を髣髴させる大胆なアレンジが施されたギラギンドとは打って変わって、このノーマンでは劇中のイメージに忠実なリアルタッチの造形でソフビ化。元々、ガレージキット用の原型をベースとしているというその造形は、独特の眠そうな眼や人肉を喰らう鋭い牙と爪の表現など、まさに本編のイメージを損なわない仕上がりになっています。とはいえ、ノーマン頭部の複雑な斑模様をモールドで処理したところや、造形がリアルな分、極々あっさり目で仕上げた彩色など、さじ加減が絶妙なレトロ玩具的センスも随所に見られ、マスダヤ・スペクトルマン怪獣などとも並べても意外としっくりくるものに仕上げているのはさすがベアモデル、といったところです。

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