講談社コミックスなかよし 血まみれ観音

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昭和50年7月10日第1刷発行
発行/(株)講談社

横溝正史の『夜光虫』を高階良子がコミカライズした、講談社コミックスなかよし(KCなかよし)の『血まみれ観音』(月刊少女漫画雑誌「なかよし」昭和48年11月号~昭和49年2月号連載)です。
原作では、世にも恐ろしい人間の顔の形をした腫れ物「人面疽」を肩に持っているのは「白魚鱗次郎」という美少年なのですが、これを美少女「潤」に置き換え、彼女の視点を中心に描いているなど、かなり少女漫画向けのアレンジとなっています。しかも、原作の『夜光虫』は金田一耕助と並ぶ横溝ワールドもう一人の名探偵、由利麟太郎が登場する「由利先生シリーズ」の一つでもあるのですが、昭和47年に発表された『仮面劇場』のコミカライズ、『真珠色の仮面』同様、やはりオミットされています。
とはいえ、元々の原作がジュブナイル的で冒険活劇的なテイストが強く、探偵役の必要性が薄い物語ということもあって、個人的にはそれほど突拍子も無いアレンジだとは思いませんでした。むしろ、この『血まみれ観音』のほうがキャラクターが整理されていて、物語的には良く出来ているのではないか、と思ってしまうぐらいです。それほどこのアレンジは見事でした。

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