ブルマァク メカニコング スタンダードサイズ 当時物

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『キングコング対ゴジラ』(昭和37年公開)製作の際に取得した、5年間有効のキングコングのキャラクター使用権の期限切れを前に、東宝が「キングコングでもう一本作ろう」との意図のもとに製作された『キングコングの逆襲』(昭和42年公開)。
北極の地底に眠る放射性の鉱物資源、エレメントXを巡り、悪の天才科学者、ドクター・フーと彼を支援する某国の女工作員、マダム・ピラニアが暗躍する無国籍風スパイ活劇に、伝説の巨猿、キングコングを絡めた意欲的な作品ですが、この映画で主役のキングコングを喰ってしまうほどの存在感を見せたのがメカニコングです。
メカニコングは、キングコングをモデルにドクター・フーが作り上げたロボット怪獣で、その使命はエレメントXの採掘。そういった意味ではロボット怪獣の元祖、モゲラの思想を忠実に受け継ぐ東宝特撮伝統の工作用ロボットですが、本編クライマックスのキングコングとの東京タワー決戦では単なる工作用ロボットの範疇を超えた能力を見せ、見事に敵役としての重責を全うしていました。
キングコングの姿を上手くメカに落とし込んだ優れたデザイン、それでいて猿の愛嬌をも感じさせるユーモラスな表情。まさに黄金時代の東宝特撮が生んだ傑作メカの一つといえるでしょう。

そんなメカニコングの、ブルマァク当時物のソフビ。
劇場公開から2年後の'69年(昭和44年)、創立間もないブルマァクがアンギラス・モゲラ・バラン・キングギドラなどと同時にリリースしたものですが、同時期のどのソフビよりも際立った造形美が特徴の傑作ソフビです。
劇中では、エレメントXの強烈な磁気に当てられ動作不能に陥ってしまった1号機と、フーの北極基地を逃げ出したキングコングへの追っ手として差し向けられた2号機の2体が登場するメカニコングですが、このブルマァク版は採掘の際に使用する爆弾を装備したベルトを腰に巻いていることから1号機をモデルにしていると思われます。今でこそ、ガレージキットや海外メーカーのソフビなどで爆弾ベルトを装着したバージョンのメカニコングの造形物も珍しくありませんが、ブルマァク版よりもずっと後になって出た山勝版とバンダイ版のソフビが爆弾ベルトの無いバージョンだったことを考えますと、最初のメカニコング人形が既にそうしたマニアックな視点を持っていたのは驚嘆に値します。
成型色やスプレー彩色の違いでいくつかバージョンがあるブルマァクのメカニコングですが、私が所有するのはグレー成型に紺色の彩色が為されたもの。ところどころに残っているシルバーの鈍い輝きが得も言われぬ味となっています。

#ゴジラ #ブルマァク #東宝 #ソフビ #怪獣

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