JOHN LOBB Paris Bespoke Unlined Driving shoes ジョンロブ ビスポーク

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 シューズフリークの間では常識とも言える、2つのJohn Lobb。
一方はイギリス・ロンドンでロイヤルワラントを賜りながらトラディショナルなビスポークシューズを作り続けるシューズ&ブーツメイカー、通称ロブロンドン。
 もう一方は、ロブロンドンのパリ支店がエルメスの傘下に入り、Ready To Wearを独自に生産。高級紳士靴の地位を不動のものとしたロブパリである。ロブパリもより上質なもの、優れたものを求める顧客のためにプレステージライン、イヤーモデル、バイリクエストと応えてきたが、それ以上を求める顧客のためにビスポークを行っている。受注価格は日本円で100万円を超える。値段は関係ない、富裕層にのみ許された(靴1足に究極にお金を注ぎ込めるヲタを除く)特別なオーダーサービスだ。ロブパリビスポークである。

 ロブパリビスポークは通算3足目。イタリアガット時代のもの、分解して自らオールソールしたものなど、今手元に残っていないのが残念だが、これはアンライニングのドライビングシューズとも言える軽やかなローファーだ。
 一見、薄いソールとアッパーデザインからイタリアの名門(2011年に廃業したが。)タニノクリスチーにも見えるが、ソールの付け方が異なる。タニノクリスチーはマッケイ製法だが、こちらはハンドソーン、ウエルトなしでアウトソールを縫い、アッパーから出るウエルトの出っ張りを嫌った技法、機械式のマッケイに逃げないクラフトマンシップあふれる仕様だ。※マッケイが悪いわけではない。そもそも日本人はグッドイヤーウエルト崇拝色が強いが、足を使った運動、テニスや柔道などを経験された方は足に筋肉が付いているのでボールジョイントの屈折率がよいマッケイ製法の方が足にあったりする。
 アッパーに目をやると一見、バックル付きの平凡な合わせモカのように見えるが、サドルとベルト以外の全体の革は1枚皮でアンライニングの踵内側で合わせている。ヒール芯はなく上から特徴的なレザーを当てているのだ。雑に言うとローファーのホールカット。上質な革を贅沢に使っているからこそ出来る技法だ。パターンを考えただけで勿体ない!と思えるほど贅沢に使っている事が目に浮かぶ。カーフはキップやブルのような要尺は取れない、子牛だから当然だ。そういった革を必要な部位だけ使っているのである。触った感触は手持ちのHermes(エルメス)ベアン、ボックスカーフとそっくりだ。アンライニングは芯地を入れる空きはまったくないのでハリ・コシのない革だと形を維持出来ない。これは履いていようがいまいが、しっかりと形を維持している。設計の良さと良い革の本質を理解出来ているからこそ出来る奇跡。
 バックルも華奢ではあるが真鍮の色のせいなのか、決して安いもには見えない。シンプルな黒のキャンバスにキラリと光る黄金色は良いアクセントだ。これ見よがしのJohn Lobbの刻印がないところも良い。

 毎年のイヤーモデルでも舌を巻くのに、ビスポークとなると悶絶である。やはりロブパリは別格。
 富裕層はそんな事気にもせず、履いているのだろう。

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