- ch049zpT Museum
- 1F マックス株式会社のホッチキス
- FLAT CLINCH (初代HD-10F)
FLAT CLINCH (初代HD-10F)
針の綴じ裏が平らになる「フラットクリンチ」。今やフラットクリンチのホッチキスは珍しいものではなくなってきましたが、このフラットクリンチを世界で初めて実現したホッチキスがマックス株式会社の『FLAT CLINCH』こと初代HD-10Fです。
世界初の「フラットクリンチ」機構を搭載したHD-10Fが
1987年に登場。
通常のコピー用紙程度であれば最大15枚まで綴じることができます。
外 寸 / H48×W24×D103(㎜)
質 量 / 121g
針装てん数 / 50本
とじ 奥行 / 45㎜(最大)
使 用 針 / №10
世界で初めて搭載された「フラットクリンチ」
フラットクリンチとは「フラット=平ら」+「クリンチ=打ち曲げる」、つまり「平らに打ち曲げる」ということ。
“ホッチキスで綴じた書類を保存する際に、ホッチキスの裏側の針を金づちで潰してからファイルしている”というお客さんの声を聞いたマックスが開発した「フラットクリンチ機構」です。
針を装てんする際は、本体後部にあるスライドボタンをスライドさせます。
針を入れるマガジンボックスが本体前方から出てくる「フロントローディング」方式になっています。出てきたマガジンボックスを引き出し、針を入れたマガジンボックスをカチッと音がするまで奥に押し込めれば針の装てんが完了です。
装てんされた針はマガジンボックスの側面にある小さな窓から残量を見ることができます。
世界初の機能を搭載したこのホッチキスですが
綴じ裏をイチイチ金づちで潰していたユーザーさんからは大変喜ばれました。
しかしながら、そこまで使い込んでいなかった方からは、この機構の便利さがイマイチご賛同いただけなかったのか、それとも小型ホッチキスとしては高価とおもえる価格だったこともあったのか。フラットクリンチが広く受け入れられるようになるまでには少し時間がかかったように思えます。
本体価格が1,000円という値段という以外にも
・針装てん数が50本
・フロントローディングという珍しい針の装てん方法
・綴じる際、ハンドルの一部だけを動かすという特殊な形状
・最大とじ枚数が15枚とやや少な目
・本体に強い衝撃を与えると部品が外れてしまいフラットクリンチ機構が働かなくなってしまう
・針を除去するリムーバーが備わっていない
世界初の機構を備えていたからこその少なくない問題点だったかと思いますが、問題点の数々を解決していった結果、今やフラットクリンチ機構を搭載したホッチキスが次々と登場しています。
ホッチキスの歴史に新しいページを記した
パイオニアモデルといっていいでしょう。
#文房具
#ホッチキス
#マックス