お手本になったホッチキス Tot50

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Swingline製の小型ホッチキス『Tot50』

Tot50というホッチキスはSwinglineにとって革命的な1台でありましたが、日本にとっても画期的なホッチキスでした。

Tot50は1950年に登場して以降、モデルチェンジを経ながら1999年まで製造されました。1999年以降は『Tot』という小型ホッチキスが作られています。

通常のコピー用紙程度であれば最大20枚まで綴じることが可能。

外   寸 / H25×W18×D74(㎜)
質   量 / 40g
針装てん数 / 45本
使 用 針 / №10 (またはTot針)

文房具に詳しい方ならば、ご存知のことかもしれませんがSwinglineの『Tot50』というホッチキスは、日本にとっても画期的な商品でした。
このホッチキスの存在が無ければ、現在の日本の小型ホッチキスは無かったかもしれません。

1951年、米国産業視察団に参加した商社・内田洋行の社長の内田憲民氏が持ち帰ってきた文房具の中のひとつがこのTot50でした。
持ち帰ってきた文房具は、国産化を目指す国内メーカーに紹介、研究開発されました。Tot50を紹介されたマックス株式会社は、これをもとに後のHD-10となる『SYC・10』を開発しました。

 
今回紹介の『Tot50』は、1950年から1980年まで作られた初代モデル。

非常にコンパクトなこのホッチキスは、日本の小型ホッチキスHD-10と比べても更にひと回り小さいものです。

針を装てんする際は、本体後部の後部にあるボタンによって本体と上部カバーをつなぐ爪を外します。爪を外すと上部のカバーが自動的にスライドし、マガジンが現れます。装てん後はカバーをカチッと音がするまでスライドさせれば装てん完了です。

ちなみに針は通常の10号針を使うことができますが、日本で広く流通しているひとかたまり50本の針はそのまま装てんすることができません。
マガジンには装てんできるのは45本まで。このホッチキスに針を装てんする際には、針を少し減らしておくなどひと手間が必要です。
このホッチキスに関して調べている際、針はTot針もしくは10号針も使える。との表記に違和感を感じていたのですが、専用針と思われるTot針とは、このホッチキスのマガジンに直ぐに収めることのできるように連結されている針が少し少な目になっているパッケージのことなのでしょう。
Tot50という名称にある「50」という表記から針が50本装てんできるものかと思い込んでしまっていました。しかし、この「50」とは、Tot50が誕生した1950年に由来したものでした。

このSwingline『Tot50』に関しては
海外サイト「American Stationer」 https://americanstationer.wordpress.com/2016/09/10/swingline-tot-50-stapler/ にて詳しく解説されております。ご興味のある方はこちらの方も是非ご一読ください。

こちらの記事によると今回紹介したTot50は、この記事の筆者の方が愛用されている1956年から1963年までに作られていたというものと同時期のモデルであることがわかりました。何かこれもご縁を感じます。

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