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卓上でも手持ちでも使える PLUS40
今回紹介するのは少し懐かしいホッチキス『PLUS40』 プラス株式会社が作っていた卓上&手持ち両用の中型ホッチキスです。 3号針という少し大き目の針を使うタイプのホッチキス。コピー用紙程度であれば30枚ほど綴じることができるものです。 通常のホッチキスのように、手に握りながら綴じることもできますし、テーブルの上でガッチリと止めることもできます。また、綴じ方も3通りの綴じ方ができます。通常通り綴じる「本綴じ」。簡単に針を除去することができる「仮綴じ」。中綴じ製本やポスター貼りに用いる「タッキング」それぞれの綴じ方を使い分けることができます。 外 寸 / H54×W34×D125(㎜) 質 量 / 213g 針装てん数 / 50本(№3の場合) とじ 奥行 / 63㎜(最大) 使 用 針 / №3または№35 通常のコピー用紙程度であれば最大30枚まで綴じることができます。 沼田エフエム放送(FM‐OZE)にて放送されている「文房具」を語る番組『他故となおみのブンボーグ大作戦!』https://daisakusen.net/ 30分間文房具のことを語るという番組のコーナーで紹介されていたホッチキス。遅くなりましたがこちらでも紹介させていただきたいと思います。 『PLUS40』は1982年から1991年ごろにかけて販売されていた中型ホッチキスです。 手に握りながらでもテーブルの上でもどちらでも綴じることができるこのホッチキスは、針曲げ台を回転させることで「本綴じ」と「仮綴じ」を、本体を開いて使いことで「タッキング」という3通りの綴じ方を使い分けることができます。 直線的なデザインはシンプルですっきりとしたデザイン。回転する針曲げ台は大きく回しやすく、台座の内側には黒いカバーを施され、ハンドル上部のカバー正面には『PLUS40』のプレートが張られているなど実用的ながらも品位を感じさせるデザインとなっています。 黒いパッケージもシンプルながらも、「他のホッチキスとは違うのだよ」なんて語り掛けてきそうなオーラを感じさせるパッケージで私的に大好きです!(感想には個人差がありますのであしからずご了承ください) パッケージには「№3」もしくは「AS-100」という針が使えると表記されています。が、その昔はPLUS40専用の針が用意されていました。 PLUS40専用針は№3の針より少し細めの針。AS-100という針は、おそらくこの専用針の後継品なのではないかと思われます。ちなみに専用針相当品は№35針です。№35針をマガジンにセットする際には1連(100本)をセットすることができます。 パッケージ裏には最大装てん本数は105本とありますので、このことからもAS-100が№35針相当であると推測されます。 金属部品が主体で、塗装もしっかり施されているためか質量 は少し重め。男性にはそれほど気にならない重さかもしれませんが、手に持ちながら長時間の作業には少しきついかもしれません。しかし、このホッチキスはテーブルの上でも使える両用タイプなので使用の用途によって使い分けていただくのが良いかと思います。 シンプルながらも実用的に作りこまれているところに少し懐かしさを覚えてしまうのは私だけでしょうかね。 #文房具 #ホッチキス #プラス
ノーマルクリンチ ホッチキス PLUS40 プラス株式会社栗下 智
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HD-3
3号針を用いるホッチキス『HD-3』 レトロなデザインのホッチキスですが、つい先ごろの2020年まで製造・販売されてきたものです。 レトロなデザインの文房具として人気のあるHD-3ですが、このデザインはマックスがホッチキスを作り始めた昭和21年以来からもの。製造開始以来小改良を加えながら製造を続けてこられたとのことですが、基本的なデザインは変えられずに74年間作り続けてこられました。 外 寸 / H102×W60×D212(㎜) 質 量 / 460g 針装てん数 / 50本 とじ 奥行 / 36㎜(最大) 使 用 針 / №3 通常のコピー用紙程度であれば最大30枚まで綴じることが可能。 3号針は昭和1~2年ごろドイツから輸入され、昭和3年には3号針を用いるホッチキスが日本でも作られるようになりました。その頃、3号針を使うホッチキスのことは「スマート」と呼ばれていました。 昭和21年、当時は「山田興業(株)」という名称だったマックスが作り始めたホッチキスが『ヤマコースマート』と呼ばれていた3号ホッチキスでした。 山田興業が作っている3号(スマート)ホッチキスだから『ヤマコースマート』。これが後のHD-3と呼ばれるホッチキスのはじまりです。以来2020年に製造が終了するまで大きく変わることも無く、レトロながら実用的なモデルとして長く愛され続けてきました。 近頃では小型ホッチキスでも32~40枚もの用紙を綴じることができる高性能なホッチキスが登場し、加えて綴じる際に強い力が必要となる3号針という太い針を使うホッチキスを選ぶという選択肢は、興味がない限りはないかもしれません。さらには3号ホッチキスでも60~80枚まで綴じられるモデルもあります。実用用を重視するのであれば、高性能な新しいモデルの方が良いでしょう。 しかしながら実用一辺倒ではなく、長く愛され続けてきたレトロなデザインがお気に召されたのであれば、オススメの1台です。 製造終了から1年余りが経過し、文具店の店先に並んでいるものは少なくなってしまっているでしょう。しかし、長年作り続けられてきたモデルだけあって、オークションでも頻繁に見かけることができます。レトロ調でありながらも入手のしやすさからもお手軽なモデルといえます。 #ホッチキス #マックス #文房具
ノーマルクリンチ ホッチキス HD-3 マックス株式会社栗下 智
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HD-3D (後期型)
ホッチキスの3号針 といって、すぐお分かりになられる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。 すぐお分かりになられる方は、3号針を実際に使ったことがある方でしょう。しかし、最近は高性能なホッチキスが登場しているので、3号針を使うような大きなホッチキスを所有することも、実際に使うことも少なくなってしまったかもしれません。 普段使っている10号針より2㎜ほど幅広く、針の太さは0.2㎜太い0.7㎜。 10号針よりちょっぴり大きく太い針。数字上では大した差ではないように見えますが、実物ではやたらと太く丈夫に見える3号針を使用する『HD-3D』という卓上ホッチキスのご紹介です。 新聞紙程度厚みの用紙を最大80枚(№3-10㎜針使用時)まで綴じることができます。 外 寸 / H53×W71×D261(㎜) 質 量 / 725g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 60㎜(最大) 使 用 針 / №3 または №3-10㎜ 職員室の片隅にあった印刷室で、輪転機、断裁機そして大き目の卓上ホッチキスとしておかれていたのが『HD-3D』。私と同年代くらいの方であれば、学校行事で出かける旅行や工場見学の際に作った「しおり」を綴じる際に、この『HD-3D』を使っていたのではないでしょうか。 ホッチキスを操作するのは先生の役目だったので、当時は実際に動かすことはできなかったのですが、ホッチキスの置き場所を知っていた私は、取りに行ったり返却する役目を任されていました。ホッチキスを運ぶたび、自分では綴じ作業をすることが叶わないこのホッチキスを自分で所有するんだと誓ったものです(笑)。 1971年に登場した『HD-3D』は、2002年ごろまで製造されました。 その後は後継機となる『HD-3DE』が2019年ごろまで作り続けられ、現在は、『HD-3DEL』とモデルにバトンが受け継がれています。 1965年10月1日に制定された日本工業規格(JIS規格)で定められた JIS S 6035 ステープラ JIS S 6036 ステープラ用つづり針 これらの規格に基づいて作られた3号針および3号U針を使用して使えるホッチキスとして作られたホッチキスが『HD-3D』です。 ここでは、規格の詳細などは省かせていただきますが、 『HD-3D』は3号Uの規格に沿って作られており 足の長さが6㎜の 「№3」針 を用いて 2~30枚 までの綴じ能力 足の長さが10㎜の 「№3-10㎜」針 を用いて 30~80枚 までの綴じ能力 があります。 ちなみに、この「3号U」という規格の「U」とは、Universalの略で、足の短い針(3号)および足の長い針(3号U)を兼用して綴ることができることを表しています。 『HD-3D』には、3号Uの規格に沿って作られたことを示すように、本体側面部分に商品名とともに3号Uの文字も刻まれています。 また、マックスさんで取り扱われている『№3-10㎜』の針ですが、JIS規格の3号Uの規格に沿って開発・認定をとられている商品です。商品名に関しては企業側で自由に付けられるそうで、マックスさんでは、針の長さが長いことをより分かりやすく示すように3号U規格の針の商品名を『№3-10㎜』とされているそうです。 針装てんの際には、本体後部にあるスライダのツマミ引っ張ります。ツマミを引っ張ることでプッシャを引き出すと、最大2連(100本)の針を装てんすることができます。 ここで、ネックとなるのが針の使い分けでしょうか。6mm足の針と10㎜足の針を綴じるものの枚数によって使い分けなければなりません。 使い分ける目安は30枚ですが、これはかっちり30枚で使い分けなければならないというわけでもありません。用紙の厚みなどにより25枚~30枚の範囲内で使い分けると良いでしょう。例えば、少し厚めのコピー用紙27枚を綴じるのであれば10㎜針を使っても問題ありません。ただ、紙の裏側にあまり針を見せたくないというのであれば、6㎜針を使う選択肢もあります。 ただ、注意していただきたいのは、コピー用紙程度の厚さの用紙を20枚以下の状態で綴じようとするとき、決して10㎜針を使わないでください。 用紙の裏側で折り返された針が再び用紙を貫通し、金属の芽が生えたかのように用紙の表側に針が貫通してしまうからです。こうなってしまうと、けがの要因となってしまうばかりか、再び貫通した針がホッチキスの本体に損傷を与えてしまう可能性も出てくるからです。 3号針のホッチキスは、本体が通常のホッチキスよりも大きく、また、価格も高く、使い分ける針の種類もあることから、多くの人から見ると中々扱いづらいホッチキスなのかもしれません。加えて、先にも述べたように高性能のホッチキスが登場している昨今では、ますます3号針を使うホッチキスも存在感が薄くなってしまってきているかもしれません。 1999年に購入したこの『HD-3D』ですが、昨年ネットオークションで購入した古い『HD-3D』と比べてみたところ、ハンドルの形状や台座のデザインなどが異なっていました。『HD-3D』の改良のあゆみがどのようなものか確認は取れていませんが、製造されていたおよそ31年の間に、少なくとも1度は改良が加えられていることがわかりました。古いモデルの方もいずれ紹介させていただきますので、HD-3Dに関してご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントを下さい。もちろん、これで旅行のしおりを作ったなどの想い出なども大歓迎です。 #文房具 #ホッチキス #マックス
ノーマルクリンチ ホッチキス HD-3D マックス株式会社栗下 智
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MAX・10JA
マックス株式会社初の100本の針を装てんすることができる小型ホッチキス『MAX・10JA』です。 懐かしいデザインの小型ホッチキス『MAX・10』に似たホッチキスですが、『Max・10』は50本のホッチキスの針が装てんできるのに対して、『MAX・10JA』は最大100本の針を装てんすることができ、作業中の再装てんの手間を格段に減らし、作業効率をUPさせたモデルです。 通常のコピー用紙程度であれば最大20枚まで綴じることが可能。 外 寸 / H46×W20×D102(㎜) 質 量 / 84g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 62㎜(最大) 使 用 針 / №10 昭和36年(1961年) 「作業用A型ホッチキス」の名称にて登場 昭和42年(1967年) 「マックスホッチキス 10JA」の商品名でカタログ掲載 カラーリングは橙・青・緑の3色 見た目は『MAX・10』と変わりないように見えますが、プラスチック製の「ハンドルヘッド」(写真では緑色のもの)は大型のものを装着して操作性を向上させています。 今は大概のホッチキスに装着されているリムーバーですが、このモデルには装着されていません。普段ホッチキスを使っているときにはその存在をあまり意識していませんが、いざ着いていないモデルを使うと、標準で備わっているリムーバーの存在がありがたく思えてきます。 この頃の針曲げ台(クリンチャ)は台座と別々に成形されていたようです。 お陰で、下側の台座はシンプルな造形となっていますが、案外自然と手にフィットし、個人的には結構お気に入りのデザインです。 マガジンの内部は、のちに登場する『HD-10D』に共通するものがありますが、マガジンの上部にある「マガジンカバー」の形は異なっています。 経年変化を経たものを見ると、マガジンカバーを支えるバネの部分にやや難があるのか、針を連続して打ち出せなくなってしまっておりました。 この原因は、針を打ち出した後のドライバーが元の上方の位置に戻ろうとする際、後続の針をそのまま引き吊り上げてきてしまう(本来であれば、この引き吊り上げる力をマガジンカバーが押さえ込み、針は定位置にあるのです)ためでした。結果、針を正常に送り出せずに後続の針を打ち出せないという状態でした。のちに登場した『HD-10D』で耐久性が大きく向上した要因には、マガジンカバーの形状の変更にあるのだと思われます。 操作性の向上を果たしつつも、その後に続く高い耐久性と高い信頼性を勝ち取るまでの進化を伺い知ることができるモデルです。 ちなみに、この『MAX・10JA』は昭和46年(1971年)ごろまで作り続けられ、その後、2代目モデルにバトンが引き継がれています。 #文房具 #ホッチキス #マックス
ノーマルクリンチ ホッチキス マックス株式会社栗下 智
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HD-10D (初代 - 初期型)
これまでのホッチキスの5倍の耐久力がある10号ホッチキスとして 1968年に登場、翌年1969年にグッドデザイン賞を受賞した マックス株式会社製の小型スタンダードホッチキス『HD-10D』 50年以上に渡り同社のスタンダードホッチキスとして歴史を積み重ねてきたホッチキス『HD-10D』の初代モデル。その一番初期に登場したのが、このモデルです。 マックスのホームページを見ても『HD-10D』の登場は1968年と紹介されているのですが、登場した当初このモデルの名称は『マックス ホッチキス 10D』愛称として「10デー」(ディーと呼ばないところが昭和的ですが)と称されていました。ホッチキス本体の底にある刻印は「MAX・10D」と刻まれています。 ちなみに商品名称が現在の『HD-10D』となるのは、この後に登場する初期モデルの中期型からとなります。 通常のコピー用紙程度であれば最大20枚まで綴じることが可能。 外 寸 / H51×W21×D104(㎜) 質 量 / 89g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 60㎜(最大) 使 用 針 / №10 綴じた紙の裏側に出た針は、山形のメガネ橋のような出っ張りがある「メガネクリンチ」または「ノーマルクリンチ」と呼ばれるスタンダードな形状のものとなります。 針を装てんする際は、上部を開いてマガジン内にある「プッシャ」と呼ばれる白い部品を指で引いて装てんさせます。 装てんされた針は本体の片側面にある窓から残量を見ることができます。 本体の後部には綴じた針を外すことができる「リムーバ―」が備わっています。 以前紹介した『HD-10D』(初代-後期型)と、この初期型との違いは、先に記した本体下部の「MAX・10D」の刻印の他に、ハンドルカバーの上部に刻まれた社名部分です。 ハンドル上部に、やや深めに刻まれた社名に鮮やかな白のインクを差したもの。白いインクが本体に映えているので、社名の「MAX」の文字が大きく立派に見えます。 また、同年代に売られていたホッチキスの商品のパッケージは紙箱のものが多くみられる中で、この製品は透明なプラスチック製ケースに入れられていたことに驚きました。 これまでにない耐久性・高品質そしてデザインをパッケージでも表していたのかもしれません。他とは違う目立つパッケージで他のホッチキスとは全く違うことを全面的に押し出して売り出す。それが後にまで続く人気商品となった要因の一つなのかもしれませんね。 この初代モデル初期型は昭和43年(1968年)から昭和49年(1974年)ごろまで作られていたと思われます。 以前メーカーさんに問い合わせた際、この後に小変更を加えられた「中期型」に変わるのは昭和51年(1976年)とのお話だったのですが、その後オークションで入手した1974年製のものに中期型のものを確認しました。 もっとも、この製品のみでの断定は早計と思われるかもしれません。しかし新商品の登場の時期によっては、初期ロットとして製造されたものが前年の末になることもあります。また、カタログに掲載されるものも登場の時期によっては1年ほど遅くなるケースもあります。 そう考えたとき、実際に小変更を加えられたモデルが登場したのが昭50年であれば、それに間に合うように製造ラインに入ったのが前年。カタログ掲載されたのが昭和51年になってしまった。であるならば、実際の製品と、メーカーに確認していただいたカタログ掲載との時期のずれも分からなくもないのではないでしょうか。 #文房具 #ホッチキス #マックス
ノーマルクリンチ ホッチキス HD-10D マックス株式会社栗下 智
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FLAT CLINCH (初代HD-10F)
針の綴じ裏が平らになる「フラットクリンチ」。今やフラットクリンチのホッチキスは珍しいものではなくなってきましたが、このフラットクリンチを世界で初めて実現したホッチキスがマックス株式会社の『FLAT CLINCH』こと初代HD-10Fです。 世界初の「フラットクリンチ」機構を搭載したHD-10Fが 1987年に登場。 通常のコピー用紙程度であれば最大15枚まで綴じることができます。 外 寸 / H48×W24×D103(㎜) 質 量 / 121g 針装てん数 / 50本 とじ 奥行 / 45㎜(最大) 使 用 針 / №10 世界で初めて搭載された「フラットクリンチ」 フラットクリンチとは「フラット=平ら」+「クリンチ=打ち曲げる」、つまり「平らに打ち曲げる」ということ。 “ホッチキスで綴じた書類を保存する際に、ホッチキスの裏側の針を金づちで潰してからファイルしている”というお客さんの声を聞いたマックスが開発した「フラットクリンチ機構」です。 針を装てんする際は、本体後部にあるスライドボタンをスライドさせます。 針を入れるマガジンボックスが本体前方から出てくる「フロントローディング」方式になっています。出てきたマガジンボックスを引き出し、針を入れたマガジンボックスをカチッと音がするまで奥に押し込めれば針の装てんが完了です。 装てんされた針はマガジンボックスの側面にある小さな窓から残量を見ることができます。 世界初の機能を搭載したこのホッチキスですが 綴じ裏をイチイチ金づちで潰していたユーザーさんからは大変喜ばれました。 しかしながら、そこまで使い込んでいなかった方からは、この機構の便利さがイマイチご賛同いただけなかったのか、それとも小型ホッチキスとしては高価とおもえる価格だったこともあったのか。フラットクリンチが広く受け入れられるようになるまでには少し時間がかかったように思えます。 本体価格が1,000円という値段という以外にも ・針装てん数が50本 ・フロントローディングという珍しい針の装てん方法 ・綴じる際、ハンドルの一部だけを動かすという特殊な形状 ・最大とじ枚数が15枚とやや少な目 ・本体に強い衝撃を与えると部品が外れてしまいフラットクリンチ機構が働かなくなってしまう ・針を除去するリムーバーが備わっていない 世界初の機構を備えていたからこその少なくない問題点だったかと思いますが、問題点の数々を解決していった結果、今やフラットクリンチ機構を搭載したホッチキスが次々と登場しています。 ホッチキスの歴史に新しいページを記した パイオニアモデルといっていいでしょう。 #文房具 #ホッチキス #マックス
フラットクリンチ ホッチキス HD-10F マックス株式会社栗下 智
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HD-10D (初代 - 後期型)
マックス株式会社製の小型スタンダードホッチキス『HD-10D』 これまでのホッチキスの5倍の耐久力がある10号ホッチキスとして 1968年に登場。 1969年にグッドデザイン賞を受賞。 以来モデルチェンジを経ながら50年以上に渡り同社のスタンダードホッチキスとして歴史を積み重ねてきたホッチキスがこの『HD-10D』。 これはその初代モデルとなります。 通常のコピー用紙程度であれば最大20枚まで綴じることが可能。 外 寸 / H51×W21×D104(㎜) 質 量 / 89g 針装てん数 / 100本 とじ 奥行 / 60㎜(最大) 使 用 針 / №10 綴じた紙の裏側に出た針は、山形のメガネ橋のような出っ張りがある「メガネクリンチ」または「ノーマルクリンチ」と呼ばれるスタンダードな形状のものとなります。 針を装てんする際は、上部を開いてマガジン内にある「プッシャ」と呼ばれる白い部品を指で引いて装てんさせます。 装てんされた針は本体の片側面にある窓から残量を見ることができます。 本体の後部には綴じた針を外すことができる「リムーバ―」が備わっています。 現在のホッチキスに基本的に備わっているものが揃っているTHEホッチキスとも呼べる小型ホッチキスのベーシックを築いたモデルといって過言ではないでしょう。 ちなみにこの初代モデル(メーカーさんでは「第1弾」と呼ばれています)には、作られた時期によって3種類のモデルがあります。 私は便宜的に初期・中期・後期と呼ばせていただいていますが、今回紹介したものは昭和55年(1980年)から平成3年(1991年)ごろまで作られていた初代・後期モデルとなります。 後期モデルでは、本体上部の「ハンドルカバー」と呼ばれる部分に社名の「MAX」の刻印が施されています。 このマークが針を打ち込む際の滑り止めの役割も果たしており、本体随所に見られる非常に合理的かつシンプルデザインがとても好印象です。 #文房具 #ホッチキス #マックス
ノーマルクリンチ ホッチキス HD-10D マックス株式会社栗下 智