SPACE COLONY UNDER CONSTRUCTION 原画 #シドミード

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我々の時代さえまだ到達もしていないスペースコロニーの、しかもその建設中を1966年に描いているのが恐ろしい。シドミード展での個人蔵のコーナー「memories of the future」のラストに持ってきたU.S.STEELのカタログ用に描いたオリジナルの下絵。60年代中頃から後半のほんの僅か数年、カラーマーカーで描かれていた時期があり、カラースケッチは極めて少ない。アレクセイ・レオノフによる人類初の宇宙遊泳は前年の1965年。月面着陸はまだ3年先の1969年。画像2〜3枚目がその完成画(画集SENTINEL)1979年。

完成画を想定した画面サイズのインチ表記(70cm)や、画面の縁取りから飛び出した筆致、マーカーの筆先を整えられたのか色味を確認された跡が興味深い。黒の極細のペン先があまりに細いので、おそらく製図用のロッドリングを使われているように思う。小さな宇宙飛行士やそれを繋ぐセイフティケーブル、遠景のロケットパーツのディテールが凄まじく緻密。かなり薄いボードに描かれており、イラスト用ではなく手身近にあった適当厚紙に描かれている。当時の作業スピードとして2時間もかかっていないと思われる。シドミード展図録集への掲載は画面がここまでお見せ出来ていない。以下、シドミード展(世界初公開)に際して改めてご本人に作品解説をお願いすることが出来た。

THE ‘SMALL? (not an accurate title) SPACE STATION.
SPACE COLONY UNDER CONSTRUCTION. 1966
The ‘small space colony….’ Illustration was again originally done for one of the U.S. Steel books but never used that way. AND it is not a small space station. It is a space colony. The diameter is one kilometer. In foreground, a rocket unit is guiding a construction element into position for building the space colony. The East coast of China is far below.
Both (included "jungle walker")illustrations are done in gouache paint on illustration board.

SYD MEAD

小さいスペースステーション?
正確なタイトルではないな。
「建設途中のスペースコロニー」(1966)
この「小さな」スペースコロニーも同様にU.S.スティール社の為に描き下ろしたが、彼らは決してそれを使うことはなかった。しかも小さなスペースステーションではない。スペースコロニーなんだ。サイズはゆうに1kmはある。背景にはロケットパーツが建設途中の部品をコロニーの定位置へ誘導している。眼下に見えるのは中国大陸の東海岸だ。前述の「ジャングル・ウォーカー」と同様にイラストレーションボードにグワッシュで描いた。

シドミード

スペースコロニーをテーマにしたのはこの作品をはじめ、ナショナルジオグラフィック誌、pleasure world、ガンダム、Space Ball、Anticipa、AARX、映画エリジウム、abandoned planet sith(STAR WARS VISIONS)他 ゲーム関連などではスペースステーションも背景画に多い。

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