-
U.S.STEEL 1965 カレンダー
シドミード回顧展2020 60's コーナー sample
SYD MEAD カレンダー United States SteelSydMode
-
PROJECTIONS 1962
シドミードが1ヶ月間でフルカラーのイラストレーションを20点もデザインし、一気に描き上げたU.S.STEELのシリーズの2作目「プロジェクションズ」(1962)は当時若干29歳。自身のスタジオを意識しだした筈。特筆すべきは18歳で地元のアニメ制作会社(アレキサンダーフィルムズ)でキャラクターデザインや背景画を描いていた経験が遺憾無く発揮されている点。クルマのシャーシ、メカニズム、電気系統からインテリア、ボディデザインに至る構造が複数のセル画によるレイヤー構造でフォトショップのように見せていく発想にある。 装丁は前作の「CONCEPTS 」(1961)よりも更に豪華。表紙は厚くエンボス加工になり、セル画にページ数も増え、前作の反響を踏まえて更に注力した企業の意気込みが感じられる。見開きページの幾つかはポスター化され、後の画集「SENTINEL」(1979)や.「SENTINEL Ⅱ」にも特にお気に入りの作品が再録されている。
ハードカバー 27.7 x 35 cm PROJECTIONS 101pSydMode
-
CONCEPTS 1961
彼がフォード退社後、元上司だったジョン・ラインハートの指名により、「製鉄の未来」を自動車文化とその技術で表現したU.S.STEEL社制作の企業カタログ。当時シドミードは若干28歳。フルカラーのイラスト20作を1ヶ月間で描きあげる驚異的なマラソンワークの始まりとなり、企業名さえ霞むほどのヴィジュアル・フューチャリストとしての序章を飾った豪華な作品集。 フォードのアドバンスド・スタイリング・オフィスで22ヶ月間、カーデザイナーとしてショウカー:コンセプトカーの開発デザインに携わったあと、シドミードが初めて関わった画集となった。 自叙伝「a future remembered」(2018) (未来の思い出)ではこのCONCEPTSが大きく扱われており、当時のギャランティや次へのプロジェクトなど克明に回想され、翌年1962年にJALで羽田から来日し京都を周遊したエピソードが語られている。
27.4 x 35.6 cm CONCEPTS 84p United States SteelSydMode
-
INTERFACE LeMans SENTINEL COUPE (1969)
U.S.STEELの「INTERFACE」(1969)シリーズ用に制作されたが、実際にはどのカタログにも使用されなかった、ストリート仕上げのルマン・クーペ。リアエンドのエンブレムは、シドミードのオリジナル・クラス「SENTINEL」とあり、通常はセンチネル・クーペと呼んでいる。 画集「SENTINEL」(1979)と「SENTINEL Ⅱ」(1985)にも掲載されている、この原画も友人の所有によるもので、互いに違う原画を高解像度スキャンを仲良くトレードし、同じく年末の一周忌に合わせて「秘密基地」(大阪)でファンの為にディスプレイするのを了承してくれた。出力ではあるが、世界初公開となるだろう。 画集の解説によれば、「Variant on le mans styled street coupe」ルマン・スタイルのストリート・クーペのバリエーション、とある。 背景となるネオクラシカルでフォーマルな庭園と、ハイパフォーマンスな自動車技術とのコントラストを掲げている。 #原画 #シドミード #sydmead #クーペ #1969 #interface #usスティール
SYD MEAD U.S.STEEL INTERFACE LeMans SENTINEL COUPESydMode
-
SPACE COLONY UNDER CONSTRUCTION 原画 #シドミード
我々の時代さえまだ到達もしていないスペースコロニーの、しかもその建設中を1966年に描いているのが恐ろしい。シドミード展での個人蔵のコーナー「memories of the future」のラストに持ってきたU.S.STEELのカタログ用に描いたオリジナルの下絵。60年代中頃から後半のほんの僅か数年、カラーマーカーで描かれていた時期があり、カラースケッチは極めて少ない。アレクセイ・レオノフによる人類初の宇宙遊泳は前年の1965年。月面着陸はまだ3年先の1969年。画像2〜3枚目がその完成画(画集SENTINEL)1979年。 完成画を想定した画面サイズのインチ表記(70cm)や、画面の縁取りから飛び出した筆致、マーカーの筆先を整えられたのか色味を確認された跡が興味深い。黒の極細のペン先があまりに細いので、おそらく製図用のロッドリングを使われているように思う。小さな宇宙飛行士やそれを繋ぐセイフティケーブル、遠景のロケットパーツのディテールが凄まじく緻密。かなり薄いボードに描かれており、イラスト用ではなく手身近にあった適当厚紙に描かれている。当時の作業スピードとして2時間もかかっていないと思われる。シドミード展図録集への掲載は画面がここまでお見せ出来ていない。以下、シドミード展(世界初公開)に際して改めてご本人に作品解説をお願いすることが出来た。 THE ‘SMALL? (not an accurate title) SPACE STATION. SPACE COLONY UNDER CONSTRUCTION. 1966 The ‘small space colony….’ Illustration was again originally done for one of the U.S. Steel books but never used that way. AND it is not a small space station. It is a space colony. The diameter is one kilometer. In foreground, a rocket unit is guiding a construction element into position for building the space colony. The East coast of China is far below. Both (included "jungle walker")illustrations are done in gouache paint on illustration board. SYD MEAD 小さいスペースステーション? 正確なタイトルではないな。 「建設途中のスペースコロニー」(1966) この「小さな」スペースコロニーも同様にU.S.スティール社の為に描き下ろしたが、彼らは決してそれを使うことはなかった。しかも小さなスペースステーションではない。スペースコロニーなんだ。サイズはゆうに1kmはある。背景にはロケットパーツが建設途中の部品をコロニーの定位置へ誘導している。眼下に見えるのは中国大陸の東海岸だ。前述の「ジャングル・ウォーカー」と同様にイラストレーションボードにグワッシュで描いた。 シドミード スペースコロニーをテーマにしたのはこの作品をはじめ、ナショナルジオグラフィック誌、pleasure world、ガンダム、Space Ball、Anticipa、AARX、映画エリジウム、abandoned planet sith(STAR WARS VISIONS)他 ゲーム関連などではスペースステーションも背景画に多い。 #sydmead #シドミード #スペースコロニー #原画 #シドミード展 #製図 #マーカー #スケッチ
ADs United States Steel 非公開SydMode
-
jungle walker (1975)
シナリオ: 放射能に汚染された事故現場、クラッシュサイトに到着した探査チームは防御スーツに身を包み、キャタピラでジャングルを移動する蛇のフォルムをしたトレーラーでやって来た。 画像2枚目: MEADサインのアップ。珍しく75年の西暦表記。学生時代の課題以外に2点しかない。 画像3枚目: 最初に発表された画集「SENTINEL」(1979)に掲載されはしたが実は作品が手元になかったせいなのか先頭車両が見切れている。 画像4枚目: 続く三冊目の画集「SENTINEL Ⅱ」(1985)でも上下が見切れており、スライドフィルムをブローアップしたせいかピンも甘い。 サインの位置に75と西暦が描かれているのも非常に珍しく、私が知る限り学生時代の課題以外では生涯2点しかない。しかもその2点とも個人としての作品であるがゆえか。当時シドミードは42歳。フォード退社後、暫く色んな会社に籍は置いたが、'70年に個人スタジオを設立して未だ5年目。業界内では既に知られていたが映画「スタートレック」への参加や初の画集「SENTINEL」をリリースする4年も前。最も意気揚々で来る仕事は全部受けるほどエネルギー有り余る年齢だった。この作品に限り他のどの作品に比べても緻密で繊細さが際立つ異様なオーラを放つ。トレースした鉛筆の跡があったり、フラッシュバックのように敢えて影を塗りきらず、ホワイトでマスキングした筆の跡や、蔦に潜む地球上にはあり得ない昆虫が生々しい。勿論、軽いタッチで描いているにも関わらず離れてみるときちんとした遠近感を放つ。ウィンザー&ニュートンで描かれた水彩画のトーンも絶妙の陰影で、かなりの特色印刷で無い限り表現しきれない神業。また、パステルや色鉛筆を用いて広範囲に陰影を描いた技法は他の作品には例がない。蛇の耳に相当する部分に乗り込み口があり、クレーン状のリングがタラップになっているギミックが素晴らしい。蔦は円弧を幾つも反復しながら自ずと車両の半円に視点を集中する構図となっており、その中心に人物が配置された。水面に浮かぶ瓦礫の書き込みは驚異的なディテールを持ち、トレースまでの下絵では躍動感があった先頭車両は、この最終稿では水平に保たれ、クラッシュとの対比として静寂の中で調査が行われており、車両の先端が画面のキワまで迫っていることで緊張感が際立つ。 コレクションの中でもこの原画がやはり目玉であろう。シドミード展でも自然と来場者のこの作品の滞留時間が長かったように思う。入手してから暫くシドミード先生には何故か話せなかった。最初のオーナーが個人的に依頼し長年所有していたものの、その人の為だけに描かれた作品であり、理由がなんにせよ、そのオーナーの手を離れていることに申し訳なさを感じていたからである。何度かスタジオにお邪魔した際、「所有してるんだろ?」と体でバンプされ、ついにバレてしまい、どんな反応をされるのかオドオドしていたら真っ先に言われた言葉が、「全て揃っているか?」。だった。①一番最初に鉛筆で描かれたアイデアスケッチ、②ややサイズアップした陰影と構図を決めたマーカースケッチ。③さらにサイズアップしたトレース画。④そしてこの最終稿、全てが揃っていることに安心されていた。「それは価値があるよ。全て揃ってるのはそれだけ。どうせお前は売らないし、よく理解してるだろうから大事にキープしておきなさい。」と。 ①②のスケッチの年代が1968年、③④が1975年にはレアなエピソードがある。もともとはU.S.STEEL社のカタログ用に描いていたのが「クルマではない」というエージェンシーの理由でボツとなってしまった。たまたまある友人がスタジオに来た際、②を見て個人的にフィニッシュして欲しいと依頼したのが最初に描いてから7年後というブランク。生涯2600以上とも言われるプロジェクトの中で唯一、個人からの依頼で描き上げた一式を進呈されていたそのままフルセットで私の手元にやって来たのだ。実はこの4点の他に見たことないアイデアの痕跡がオプションとして同封されていた。コレはまた別の機会に。 シドミード展図録集をお持ちのファンは既にご存知だと思う。画集「SENTINEL」79ページや「SENTINEL Ⅱ」109ページをお持ちのファンも是非この作品で試して欲しい。オフィシャルのアプリをかざすと面白いARが出現する。改発担当が言うには葉書サイズがあれば楽しめる。 Apple https://apps.apple.com/jp/app/oblagon-ar/id1313946787 Google play https://play.google.com/store/apps/details?id=com.SydMead.OBLAGON&hl=ja (補足) I am so happy that the JUNGLE CRAWLER illustration which I painted back in the sixties is now yours. You are the one person who would deserve to own it. This illustration is the only private commission I have ever done!...AND YOU NOW HAVE IT!! Very wonderful. (from SYD MEAD : 2010 April 27th)
SYD MEAD science fiction jungle walker / jungle crawler United States SteelSydMode