PROJECTIONS 1962

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シドミードが1ヶ月間でフルカラーのイラストレーションを20点もデザインし、一気に描き上げたU.S.STEELのシリーズの2作目「プロジェクションズ」(1962)は当時若干29歳。自身のスタジオを意識しだした筈。特筆すべきは18歳で地元のアニメ制作会社(アレキサンダーフィルムズ)でキャラクターデザインや背景画を描いていた経験が遺憾無く発揮されている点。クルマのシャーシ、メカニズム、電気系統からインテリア、ボディデザインに至る構造が複数のセル画によるレイヤー構造でフォトショップのように見せていく発想にある。
装丁は前作の「CONCEPTS 」(1961)よりも更に豪華。表紙は厚くエンボス加工になり、セル画にページ数も増え、前作の反響を踏まえて更に注力した企業の意気込みが感じられる。見開きページの幾つかはポスター化され、後の画集「SENTINEL」(1979)や.「SENTINEL Ⅱ」にも特にお気に入りの作品が再録されている。

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