発破の穿孔 宮垣銅山 2020-09-25

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宮垣銅山は明治時代に掘られた鉱山。発破孔は、まだ削岩機が無く、手掘りで穿孔していた。だいたい、爆破で穿孔は吹っ飛ぶので、あまり残らない。

 この鉱山は、鉱石に白鉄鉱を含んでいる。坑夫は、その白鉄鉱の粉塵を吸う。それが肺に入る。肺に入った白鉄鉱は分解して硫酸を発生、硫酸は肺胞を溶かす。そして呼吸困難になって、30歳そこそこで死んで行く。多分、珪肺よりも、直ぐに症状は出る。

 明延鉱山でも、そんな白鉄鉱を含む南谷鉱床が高い山の上にある。若い者は元気なので、その山の上の鉱床を掘らさせられる。しばらくすると肺をやられる。すると、楽な、山の下の坑道に回される。

 生野鉱山では、「採鉱8年、溶工15年、かかあばかりが50迄」と言う。つまり坑夫は30歳位迄、製錬工は35歳位の寿命で、奥さんは50歳まで生きられたと言う話。

 この石は、そんな悲しい歴史を刻まれた石なのです。、

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